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第3世代の躍進と桁違いの可能性<NY後編>

冒頭から脱線するが、ニューワールドという言葉の定義は、いまいち釈然としない。例えば南アフリカ共和国は350年を超えるワイン造りの歴史があるがニューワールドとされている。一方で、近年スパークリングワインで注目を集めているイギリスのことを、はっきりとニューワールドと言う声は少なくない。一般的には、ヨーロッパの伝統国以外をニューワールドの定義とするケースが多い様に見受けられるが、これもまた不明瞭な感が拭いきれない伝統国という言葉が誤解の温床になっているのだろう。ここでは、より重要な鍵となる言葉を軸に、定義を明確化させたい。ニューワールドとは、15世紀後半からの大航海時代以降にワイン造りが始まった産地のことである。それ以上でも以下でもない。だから、南アフリカ共和国はニューワールドで間違い無いし、11世紀からワイン造りを行なっているイギリスはれっきとしたオールドワールドだ。そして、ニューワールドという言葉に頻繁に付随する最大の嘘は、ニューワールド=温暖というステレオタイプな図式である。ニューヨークワインの感想として「ニューワールドらしくない」というのは、根本的に間違っている。その「らしさ」は嘘と誤解の上に築かれたものなのだから。

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