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出会い <34> 大銘醸のお隣

Mozzoni Ofelio, Rosso di Montalcino “Greppino,” 2019.


ワイン産地を訪れ、地元のワインショップへと足を運ぶ楽しさの中に、「宝探し」がある。


そう、様々な事情(生産量が少な過ぎる、生産者にその気が無い、など)で、産地の外へ出ることが滅多に無いワインをハンティングするのだ。


訪れたのは、トスカーナ州モンタルチーノの街中、モンタルチーノの象徴的建造物でもあるフォルテッツァ(要塞)のすぐ近くにあった、小さなワインショップ。


宝探しが目的だったので、一通り品揃え(素晴らしい地元ワインのコレクション!!!)を眺めた後で、「日本から来たワインジャーナリストです。珍しいワインを探しているので、何か紹介してくれませんか?」と、少々頑固そうな店主に声をかけた。


次々と色んなブルネッロやロッソ・ディ・モンタルチーノを紹介してくれたが、私も(複雑で膨大なイタリアワインはやや苦手な分野とはいえ)ジャーナリストの端くれ。イタリアを代表する超銘醸地のワインなのだから、それなりには知っている。


店主からすると、ひたすら空振りが続いたような状況になり、ちょっとムキになっているような雰囲気すら漂い始めた時、はっと思い出すかのように、このワインへと店主の手が伸びた。

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