Dom. Vincent Dauvissat, Chablis 1er Cru La Forest 2018.
各種コンクールの盛り上がりもあり、すっかり競技化した側面も強いブラインド・テイスティング。
恐ろしく膨大な選択肢の中から、完全にノーヒントで品種、産地、ヴィンテージ、或いは生産者やキュヴェまで看破して見せるのは、砂漠の中からダイアモンドを探り当てるような作業に等しく、まさしく神業とすら言えるだろう。
「ディテールまで当てる」という意味では、その領域に到達できるのは、凄まじい修練を重ねた上で、超スピードの取捨選択を脳内で繰り返すことができる、極々限られたトップ・アスリートのみだ。
例え一割の成功率でも、そのような神業を繰り出せる人を、私は心から尊敬しているが、私自身がブラインド・テイスティングを行うときの最大の楽しみは、「当てること」ではなく「真実を暴くこと」にある。