イタリアといえば、ワインファンにとっては、もちろんワイン大国だが、食通にとっては、パスタやピッツァの国、そして、カクテル好きにとっては、リキュール王国となる。
イタリアンリキュールの中でも人気が高いのは、ハーブ類を中心に独自のレシピで配合したビター系リキュール(Amaroと呼ばれる)で、その王者は間違いなくCampariだが、アルコール濃度がCampariの半分程度で、苦味も穏やかなAperolも非常に良く知られている。
他にもカンパーニャ州のStregaやロンバルディア州のFernet-Brancaをはじめ、バジリカータ州のAmaro Lucano、エミリア=ロマーニャ州のAmaro Montenegro、シチリア島のAmaro Avernaなど、「ご当地Amaro」の枠を超えて、世界的に愛される名品は数多い。
もしイタリア産のAmaroが無くなってしまったら、世界中でどれだけ膨大な数のカクテルレシピが消失してしまうかは、もはや想像すらつかない。
そして、そんなイタリアンリキュールの中でも、孤高の存在と言えるのが今回の主役となるカンパーニャ州発祥のLimoncelloだ。