オニオン・グラタン・スープという強敵(後編)

前編でもNYでの思い出と共に語ったように、私にとってオニオン・グラタン・スープという料理は、ただのクラシックという枠に収まらない。それは、憩いの場にふさわしい料理であり、息抜きの瞬間にふさわしい料理であり、心の深いところが、じわじわと癒されていくような料理だ。


筆者が東京に来てから長らくの間、第二の家とも言えるような憩いの場にも、オニオン・グラタン・スープがある。しかも、絶品中の絶品だ。


東京都荒川区の町屋駅から徒歩7分ほどの閑静な住宅街の中、東京では絶滅危惧種となりつつある昔ながらの銭湯の真向かいに、一軒家レストラン「おーどぶるハウス」はある。


創業は1973年。家族経営の名店は、フランスに料理修行にも出た二代目マスターが引き継ぎ、私のようなローカル客と、区外からの訪問客で毎夜賑わっている。


二代目が引き継いで以降、「町の洋食屋」は、ナチュラルワインを豊富に揃えたレストランへと進化した。店の隅々には、過去に誰かが飲んだワインの空瓶が陳列され、まるでそれぞれのボトルに込められた瞬間瞬間のストーリーが、大切に保存されているかのようだ。


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