コンテンポラリー・アメリカという新たな潮流の勢力が増すほどに、直近の主流であるビッグワインは、無慈悲な批判の対象となることも多い。しかし、カリフォルニアを中心に洗練を重ねたビッグワインは、一つのスタイルを達成するための栽培上、醸造上の方法論の確立という意味において、究極的に完成度の高いものだ。事実、ビッグワインが隆盛を極めるにつれて、数多くの批評家たちから満点を勝ち取るワインが激増した。満点を取ったワインの総数という客観的な事実だけを見れば、その中心となってきたカリフォルニアは、世界で最も優れたワイン産地(筆者自身は点数制の意義には懐疑的だが)とすら表現しても違和感はないだろう。正確に数えたわけではないが、おそらく世界一と思われる満点獲得総数を達成できた要因が、スタイルと方法論の圧倒的な練度にあることは間違いない。
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