アメリカのワイン評論家であるロバート・パーカーJrが、世界中のワイン産業に巨大な影響力をもつに至った1990年代以降、繊細さよりもパワフルさを重視したワインが、続々と誕生した。
そのトレンドは、少なくとも2010年代前半までは続いていたのだが、2025年となった今、すっかりと軽快な味わいへと変貌したワインとの垂直試飲で、大きな違和感を感じることも増えてきた。
そう、ワインの性質が異なりすぎて、もはや垂直試飲として成立していない(ヴィンテージの差異や熟成の妙味が、強いワインメイキングによって覆い隠されている)のに加え、パワーワインの飲み頃に関して、大いに疑問が浮かんでくるのだ。