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空の検索で1009件の結果が見つかりました。

  • オニオン・グラタン・スープという強敵(前編)

    豪 奢 なレストラン で、 アート のように飾られた一皿に込められた、 驚異的な技術と奥深い伝統 を体感する。ハレの日の 高級フランス料理 には、確かに特別なものがある。しかし、筆者は カジュアルなフランス料理 も大好きだ。カジュアル・フレンチには、 ブフ・ブルギニョン、エスカルゴ・ブルギニョン、キッシュ、スープ・ド・ポワソン、カスレ と筆者の大好物が目白押しなのだが、その中でも特に思い入れの強い料理は、 オニオン・グラタン・スープ だ。 フランス語では、 Soup à l’Oignon Gratin é e 。英語では、 French Onion Soup 、もしくは French Onion Soup Gratinee と呼ばれるこの伝統料理は、世界で最も完成されたカジュアル料理の一つ、と私は思っている。 私がニューヨークで働いていた頃、マンハッタンから、自宅のあるクイーンズへと戻る中間地点に、 Le Bateau Ivre というフレンチ・ワインバーがあった。 深夜3時頃まで営業していたLe Bateau Ivreは、厳しく激しいレストランサーヴィスを終え、くたくたになった自分にとって、まさに仕事後の憩いの場であった。

  • 山梨ワイナリーツアー「シャトー勝沼」編

    去る2月のはじめ、山梨に視察に訪れました。ここ2年ほどはコロナで海外へ行くことが難しくなったこともあり、国内の産地へ出かけることが多くなりました。今回はその体験を皆様にシェアさせて頂き、メインで訪れた「シャトー勝沼」についてレポート致します。皆様が山梨をはじめとした国内の産地を訪れるキッカケとなれれば幸いです。また今回の旅は視察とは言いましても、ワインスクールの生徒さんと出かけたツアーの一環であり、読者の皆様にも再現可能な旅となっております。 【山梨へはバスが便利】 朝7時に新宿からバスで出発です。今回は貸切バスを利用しましたが、新宿の「バスタ」(新宿駅にあるバスターミナル)から山梨行きのバスが常時出ているので、こちらを利用すると便利です。私が個人で行く際は基本このバスを利用しています。片道運賃も2000円程度で、鉄道を利用するよりも「早くて安くて楽」です。朝の東名高速道路は空いていて、通常2時間弱の所要時間ですが、30分ほど早く「シャトー勝沼」に到着しました。 【勝沼最古のワイナリー「シャトー勝沼」】 創業は1877年にまで遡ります。40余のワイナリーが集中している甲州市において最古の歴史を誇るのが「シャトー勝沼」です。到着後、まずは30分程度のプチセミナーを受講しました。その中でも語られたシャトー勝沼最大の特徴は、「鳥居平」で栽培されるおよそ70%ものブドウを管理していることにあります。 【鳥居平の3つの特徴】 鳥居平とは、甲府盆地の東の斜面に拓かれたブドウ畑のことで、遠くからでも東を向けばすぐに目に入る「鳥居」のような形をしていることからその名がついたとされています。山梨県は山に囲まれた盆地であることから、基本平地にブドウ畑が拓かれています。その中で急斜面に段々畑で拓かれた鳥居平は、他の畑とは異なるミクロクリマを有しており、上質なブドウが収穫できることで古くから知られていました。 鳥居平の特徴①「日照量が豊富」 日本ワインの課題として、度々日照量の不足が指摘されます。しかし 南西向きの斜面 に位置している鳥居平では、豊富な日照量と高い積算温度を得ることができます。 鳥居平の特徴②「笹子下ろしにより、ブドウの酸が保たれる」 甲府盆地の夏はとても暑く、40度に達することも珍しくありません。しかし鳥居平では、富士山からの冷たい風 「笹子下ろし」 が一日中吹いており、朝晩の寒暖差が激しく、ブドウは酸をキープしながら成熟することができます。訪れた日の天候は快晴、無風な一日でしたが、鳥居平に入った途端強烈な風とともに、気温がグッと下がる感覚を感じたのを覚えています。 鳥居平の特徴③「水はけのよい急斜面」 鳥居平は想像以上の 急斜面 です。足元を確認しながら作業をしないと危険なほどです。年間の降水量が1100mmと、諸外国のワイン産地に比べ雨の多い山梨ですが、鳥居平は急斜面であることから水捌けが良いメリットがあります。 ちなみにこの日体験させて頂いた作業は「仮剪定」。そもそも「剪定」(※1)の目的とは、芽の数を制限し大まかな収穫量をコントロールすることにあります。つまり、ボランティアの方が行えるような簡単な作業ではなく、本来熟練したベテランの方が行うべき大切な作業です。この日は枝が短くなりすぎないようにある程度の長さを残して切る、剪定の前段階のような作業を体験させて頂いたというわけです。ブドウの枝はとても固く、一本のブドウを切るだけでもなかなか思うようにいきません。また棚仕立てであるために、中腰で両手は上げたままの格好をキープしなければいかず、10分も作業をしていると体のあちこちが悲鳴をあげはじめます。改めてワイン造りは農業であると実感する体験となりました。 ※1:昨年伸び切った枝を切る作業のこと。北半球では新シーズンが到来する直前の2月に行うことが多い。 (ワイン名)シャトー勝沼 鳥居平今村 勝沼 鳥居平ブラン (タイプ)白ワイン (ブドウ品種)甲州 (ヴィンテージ)2020 (価格)2,680円(税込み) 【シャトー勝沼 鳥居平今村 勝沼 鳥居平ブラン】 鳥居平で収穫された甲州を100%使用。フリーラン果汁のみを用い、20~23度のやや高めの発酵温度でフレンチオークを用いての樽発酵、その後6ヶ月のシュール・リー。11%という低めのアルコール度数ながら、ややリッチで肉付きのよいボリューム感とフレッシュな酸味が調和する。この日レストランで頂いた「豚のポワレ マスタードのソース カブのピューレと芽キャベツを添えて」に甲州のもつほろ苦味とグリーンのトーンが良く合っていました。ややリッチな甲州を白身のお肉に合わせるのも面白いです。 本日はワイナリーを訪れた体験談を書かせて頂きました。さいごに、ワイナリーを訪れる際のワンポイントアドバイスをして終わりにしたいと思います。 【替えの靴を持っていこう】 この日のランチはシャトー勝沼併設の「レストラン鳥居平」にて頂きました。このレストランは山梨県産の食材に合わせ、ソムリエがシャトー勝沼のワインを合わせてくれるコンセプトがあり、また高台に位置していることから眺望が良く、ワイナリー訪問者のみならず地元の方にも愛されている素敵なレストランです。このように「ワイナリーツアー」では素敵なランチが頂けるという楽しみが待っています。しかし、畑で作業したばかりの靴は汚れており、そのままの状態では素敵なレストランを汚してしまいかねません。そんなときの為に、靴の替えを持っていきましょう。ワインを勉強した我々だからこそできるちょっとした心遣いにより、ワイナリーの皆様も温かく迎え入れてくれることでしょう。 <ソムリエプロフィール> 佐々木 健太 (ささき けんた) 南仏ニースにある一つ星レストラン「Keisuke Matsushima」にて研鑽を積む。 帰国後フォーシーズンズホテル丸の内東京、南青山レストラン「L’AS」のソムリエを経て独立。ワインスクールの講師としては5年目に突入。強引な暗記に頼らない理解がより深まる解説が、「資格取得後に差が出る講義」として絶大な支持を得る。現在は、2020年に新たに立ち上がった、Live配信専用ヴィノテラスワインスクール専任講師。また自身のYoutubeチャンネル「サイバーワインスクール」を運営。さらに「ワイン教育」を軸に、多数企業のコンサルティング業務に従事。ワインリストの作成からアプリケーションの開発など、幅広く活動。

  • 再会 <10> 真ん中を射抜く

    Rivers-Marie, Chardonnay Sonoma Coast 2019. ¥6,500 筆者はかつて、個室しかない高級店に勤めていたことがある。 連日連夜、政財界や芸能界の重鎮たちが訪れるそのお店には、個室が大小合わせて16室あった。 個室でのサーヴィスというのは、オープンスペースでのテーブルサーヴィスと比べると、体感で2~3倍は手がかかる。個室である以上、サーヴィスマンやソムリエが入室する回数は極限まで少なくする必要があり、当然、一度入室したら目的を果たすまで易々とは退室できない。つまり、一回のサーヴィス時間がどうしても長くなるのだ。 さらに難しかったのは、その店に訪れる顧客の90%以上が、ビジネスディナーとして利用していたという点だ。これが一般客向けの個室なら、テーブルサーヴィスと同様に、適度に「お待ちいただく」という技術も使えなくはないのだが、ビジネスディナーの場合、基本的には「 最速が正解 」だ。 16室ある個室が完全満室になった場合(週末以外はそういう日が多かった)、分身の術でも使わない限り、全ての個室に対して真っ当なワインサーヴィスをするのは、物理的に不可能だった。 しかし、 ソムリエは売上を上げてこそ価値がある 、というのはアメリカ時代からの厳しい教え。そうそう簡単に諦めるわけにもいかなかった。 そこで私は、 ドリンクに特化した顧客データ を作り始めた。記憶に頼るほど、自身の能力を過大評価していないので、しっかりと記録に残すようにしたのだ。

  • SommeTimes’ Académie <25>(ワイン概論21:白ワイン醸造4)

    一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は 、一般的な白ワインの醸造フローを学んでいきます。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記し、英語が一般的で無いものに限り、フランス語で表記します 。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 SommeTimes’ Viewをしっかりと読み込みながら進めてください 。 シュール・リー(Sur Lie) 主発酵(場合によってはMLF)終了後に 澱引きを行わず 、ワインを 澱に接触させたまま熟成 させる手法がシュール・リーです。長期間のシュール・リーは、ワインに アミノ酸 を多く含ませる効果があるため、最終的には 旨味が増えつつ、より豊かなテクスチャーを実現 できます。世界的にこの製法で最も広く知られているのは、フランス・ロワール地方の ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ 。ムロンという非常にフラットな特性をもつ品種に、膨らみをもたらす役割を果たしてきました。日本では、 甲州 で多く用いられる手法となっています。

  • SommeTimes’ Académie <17>(ワイン概論13:赤ワイン醸造1)

    本稿から4回に渡って、一般的な赤ワインの醸造フローを学んでいきます。なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記します 。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 SommeTimes’ Viewをしっかりと読み込みながら進めてください 。 ① 選果(Sorting) 健全な葡萄を選り分ける工程 。手摘み の場合は、 畑でも実質的な選果が行われる ことが多いです。ワイナリーに葡萄が運ばれると、 選果台 と呼ばれる台に乗せられ、 ベルトコンベアー式 の選果台では 目視しながら手作業 で、 光学式 (非常に高価)等の場合は、 選果台そのものが選果を行います 。 SommeTimes’ View 選果という工程は、必ずしも取り入れられる訳ではありません。特に手摘みの場合は、実質的な選果を兼ねている側面も強いため、ワイナリーで選果を行わないケースも多々あります。これは、コスト面の問題もありますが、スタイル面での選択というケースもあります。選果はクリーンなワインを造るには欠かせない工程ですが、クリーン過ぎるワインを嫌う流派(主に伝統派)も実際にはかなり存在しているため、選果の「度合い」は各々のワイナリーが、造りたいワインのスタイルによって変えているのが現状です。つまり、 選果とは品質と関係したものというよりも、むしろスタイルに密接な関係がある と言えます。

  • SommeTimes’ Académie <18>(ワイン概論14:赤ワイン醸造2)

    一般的な赤ワインの醸造フローを学ぶシリーズの第二弾となります。なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記 します。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes’ Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 SommeTimes’ Viewをしっかりと読み込みながら進めてください 。 ④ 主発酵(Alcoholic Fermentation) 除 梗、破砕を経て得たマスト(果汁、果皮、果肉、種子等の混合物)を様々な発酵槽に入れ、 野生酵母 (天然酵母、自然酵母、自生酵母、土着酵母、と様々な呼び方がありますが、どれも同じ意味)を利用した発酵の場合は発酵が始まるのを待ち、 培養酵母 を使用する場合はこのタイミングで添加します。ワインの発酵を担う主体となる酵母は Saccharomyces cerevisiae(サッカロミセス・セルヴィシエ) 。この段階で、マストに含まれる糖分が、酵母の働きによって アルコール と二酸化炭素に分解されます。 発酵槽の主要なタイプは以下の通り。 1. セメント・タンク(中〜極大のサイズが一般的) 2. 樹脂タンク(小〜中のサイズが一般的) 3. ステンレス・スティール・タンク(中〜極大のサイズが一般的) 4. 木桶(中〜大のサイズが一般的) 5. 木樽(小〜中のサイズが一般的) 6. コンクリート・エッグ(中サイズが一般的) 7. 土器(小〜中サイズが一般的) SommeTimes’ View 発酵槽は、それぞれに異なる利点があるため、 木樽発酵=高品質という考えは極めて短絡的 です。また、岩を削ったものや、牛革といった今では非常に珍しい発酵槽もありますが、衛生面での問題が大きく、 古いから良いという考え方もまた危険 です。少し感覚的ではありますが、ステンレス・スティール・タンクが最もクリーンでやや冷たい味わいに、コンクリート・タンク、コンクリート・エッグ、セメント・タンクは十分にクリーンに仕上がりますが、味わいには少し厚みと温かみが出ます。土器は衛生管理が難しく、十分にクリーンに仕上がる場合もあれば、極端に汚染された味わいになることもあります。味わいは、ニュートラルとされることもありますが、独特の滋味深い温かみが宿ると言えます。木桶、木樽を使用した場合は、より酸化的な発酵になりますので、酵母や微生物の代謝が促進され、複雑な味わいになると基本的には考えて大丈夫でしょう。しかし、その複雑な味わいが最終的にバランスの取れた味わいになるには、葡萄そのものに力強さが必要です。「樽の味しかしない」ようなワインは多々存在しますが、それらは葡萄に力が足りないか、樽の使い方が過剰(故意にそうしてるケースも多い)のどちらか、あるいは両方が原因となります。

  • SommeTimes’ Académie <23>(ワイン概論19:白ワイン醸造2)

    一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回から 、一般的な白ワインの醸造フローを学んでいきます。赤ワイン醸造と重複する部分もありますので、適宜参考にしながら読み進めてください。 本稿の内容は、 <ワイン概論14:赤ワイン醸造2> 、 <ワイン概論15:赤ワイン醸造3> ともリンクしています。 同じ工程であっても、赤ワインと白ワインとではタイミングや目的が異なる場合も多々ありますので、注意してください。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記します 。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 SommeTimes’ Viewをしっかりと読み込みながら進めてください 。 ⑥ 主発酵(Alcoholic Fermentation) 圧搾と静置(Settling, Debourbage)を経て得た果汁を様々な発酵槽に入れ、 野生酵母 を利用した発酵の場合は自然に発酵が始まるのを待ち、 培養酵母 を使用する場合はこのタイミングで添加します。ワインの発酵を担う主体となる酵母は Saccharomyces cerevisiae(サッカロミセス・セルヴィシエ) 。この段階で、マストに含まれる糖分が、酵母の働きによって アルコール と二酸化炭素に分解されます。また、 白ワインは赤ワインに比べると野生酵母のみでのクリーンかつ完全な発酵が難しく、酵母添加されるケースもより多い と言えます。

  • SommeTimes’ Académie <19>(ワイン概論15:赤ワイン醸造3)

    一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は、 一般的な赤ワインの醸造フローを学ぶシリーズ の第三弾となります。 圧搾とマロラクティック発酵 を学んでいきます。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記 します。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes’ Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 SommeTimes’ Viewをしっかりと読み込みながら進めてください 。 ⑦ 圧搾(Pressing) 主発酵を終えた マスト (果汁、果皮、果肉、種子等の混合物)から、果皮、種、茎を 分離 させるために、 圧搾 します。 圧搾機 (詳細は後述)、もしくは タンク の底部側面に設置された 蛇口 から、圧搾前に自重によって自然に流出する液体を フリーランワイン と呼び、軽い圧力をかけたあとで流出する液体を プレスワイン と呼びます。フリーランワインは、ピュアで繊細に味わいに、プレスワインは複雑で厚みがありますが、少々のエグミや雑味も含みます。一般的に 両者はブレンドされます が、そのブレンド比率は造り手によって大きく異なります。強い圧力をかけて最後に絞り出したワインは、少量がブレンド用に使われるか、ブランデー等の原料に回されます。 SommeTimes’ View あまり知られていませんが、ワインの最終的な 性質 (品質とは違います)に 多大な影響 を与えるのが圧搾の工程です。 圧搾機の種類 によって、分離されたワインの性質に違いが生じるからです。一般的な圧搾機は以下の3種類です。もう1種類の連続スクリュー式は、テーブルワインにはほとんど用いられません。

  • SommeTimes’ Académie <20>(ワイン概論16:赤ワイン醸造4)

    一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのがSommeTimes’ Académieシリーズ。初心者から中級者までを対象としています。今回は、一般的な赤ワインの醸造フローを学ぶシリーズの第四弾となります。 熟成から瓶詰め までの流れを追っていきます。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記 します。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes’ Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 SommeTimes’ Viewをしっかりと読み込みながら進めてください 。 9. 熟成(Aging) タンクや樽などで行われる熟成は、ワインを育てるという意味合いから、フランス語では「 育成 」を意味する Elevage (エルヴァージュ)という言葉が用いられてきました。 酸素透過率の高い容器 ( 樽 や アンフォラ )の場合、熟成中のワインが徐々に 蒸発 してしまう(天使の分け前、Angel’s Share)ため、定期的に 補酒 をして、容器内にワインをしっかりと満たし続けるようにします。この補酒の作業のことをフランス語で Ouillage (ウイヤージュ)と呼び、英語での呼び名は Ullage (アレージ)となっています。 SommeTimes’ View 育成期間中は、重力による自然な清澄作用、フェノール類の重合による沈殿作用によって、 色調を安定化 させることができます。この作用は、 酸素透過率の高い容器(樽) の場合、酸素との接触によって 緩やかに酸化 しつつ、 より強い効果 を発揮します。また、 補酒や温度管理 を正しく行えば(酸化は高温環境下で促進される)、ネガティブな酸化は極限まで抑えつつ、より複雑な風味を得ることができます。この微小な酸化効果は、 樽のサイズが小さいほど強く、大きいほど弱くなります 。つまり、 小樽の方が早く育成させることができる ということになります。また、 古い樽になればなるほど酸素供給力が低下していくため、新樽の方が早く育成できます 。アンフォラは酸素との接触を促進させて複雑さを高めつつも、ワインに風味を足すことはほとんどないため、比較的ニュートラルな特性とされています。 酸素透過率の低い容器(ステンレスタンク、コンクリートタンク 等)の場合、 風味への直接的な影響は少なめとなります。

  • SommeTimes’ Académie <21>(ワイン概論17:赤ワイン醸造5)

    一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は、一般的な赤ワインの醸造フローを学ぶシリーズの最終章となります。一般的な醸造フローに関しては、 前章 で完結していますが、本章では、 赤ワイン造りに付随する特殊な醸造工程 に関して学んでいきます。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、 SommeTimes’ Académie では、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記 します。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。 SommeTimes’ Académie では、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 SommeTimes’ Viewをしっかりと読み込みながら進めてください 。 ① カーボニック・マセレーション(Carbonic Maceration) ライト〜ミディアムボディまでの赤ワイン に時折用いられる手法。未破砕の葡萄をタンクに入れ、二酸化炭素を充満させた後に密閉して数日間置いておくと、果実の内側(果皮の細胞内)で酵素が反応し始めます。この反応によって、ポリフェノール類(主にタンニンとアントシアニン)が果皮から果肉へと染み出しつつ、僅かなアルコール発酵も起きます。約2%の濃度でアルコールが生成されたタイミングで、果皮が破れ果汁が流れだします。その後は一般的には一度圧搾し、通常の発酵フローへと移行します。 セミ・カーボニック・マセレーション という類似した手法の場合は、二酸化炭素を充填せずに密閉します。この場合、タンク内に積み上げられた葡萄の上部が、自重で下部の葡萄を押しつぶして破砕し、流れ出た果汁がアルコール発酵し始め、やがてタンク内を二酸化炭素で満たします。セミ・カーボニック・マセレーションの場合も、アルコール濃度はあまり上がらないため、通常の発酵フローへと後に移行します。 SommeTimes’ View カーボニック・マセレーションは全房発酵が基本となっているため、必ず(僅かであっても) グリーンなニュアンス が生じます。 色合いは淡く、タンニンと酸は低く、イチゴやバナナ、キャンディーを思わせる香味が生じる のが特徴です。また、この手法で造られた赤ワインは、総じて 早飲みに向きますが、熟成能力が極端に落ちるというわけでもありません 。カーボニック・マセレーションによって生じたエステル香は 非常に強力 で、 テロワールの特徴を強く覆ってしまいますが、完全に消失させるというほどでもありません 。しかし、一般的な醸造フローで造られた赤ワインに比べると、どうしても「テロワール+カーボニック・マセレーション」という味わいの構成になってしまうため、テロワールの特徴が掴みづらくなります。 ボジョレーの専売特許とされていたのは随分と昔の話 で、現代では世界各国の様々な造り手たちによって、柔軟に取り入れられています。特にナチュラル・ワイン・メイキングにおいては、既に広く用いられています。ここには、二酸化炭素の抗酸化能力によって亜硫酸添加を回避する、ガブ飲みスタイルのワインに仕上げるといった複合的な理由があるのですが、特に前者の目的で用いた場合、二酸化炭素への過信によって油断が生じ、過度の欠陥的特徴を伴ったワインになってしまうケースが、決して少なくありません。 ② コールド・ソーク(Cold Soak)

  • SommeTimes’ Académie <22>(ワイン概論18:白ワイン醸造1)

    一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回から、一般的な白ワインの醸造フローを学んでいきます。赤ワイン醸造と重複する部分もありますので、適宜参考にしながら読み進めてください。 本稿の内容は、 <ワイン概論13:赤ワイン醸造1> 、 <ワイン概論15:赤ワイン醸造3> ともリンクしています。 同じ工程であっても、赤ワインと白ワインとではタイミングや目的が異なる場合も多々ありますので、注意してください。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記します 。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 SommeTimes’ Viewをしっかりと読み込みながら進めてください 。 ① 選果(Sorting) 健全な葡萄を選り分ける工程 。手摘み の場合は、 畑でも実質的な選果が行われる ことが多いです。ワイナリーに葡萄が運ばれると、 選果台 と呼ばれる台に乗せられ、 ベルトコンベアー式 の選果台では 目視しながら手作業 で、 光学式 (非常に高価)等の場合は、 選果台そのものが選果を行います 。 SommeTimes’ View 白ワイン用の葡萄を選果する場合、赤ワイン以上に腐敗果、過熟果、貴腐果に神経を尖らせる必要があるとする生産者と、赤ワインよりも気を使わなくても良いとする生産者に大きく流派が分かれます。前者は徹底的にクリーンで現代的なワインを目指す造り手に多く、後者は伝統的な手法を踏襲する造り手に多い傾向があります。 考え方が分かれる主な理由は、後述する 圧搾のタイミングが、白ワインの場合は除梗と破砕の直後に来ることが多いため 、腐敗果等が混入しても、大きなダメージにはならないと考えられているからです。また、 伝統派の中には、多少の貴腐果が混ざっていた方が、複雑性が増すと考えている造り手も少なからずいます 。

  • SommeTimes’ Académie <24>(ワイン概論20:白ワイン醸造3)

    一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回から 、一般的な白ワインの醸造フローを学んでいきます。赤ワイン醸造と重複する部分もありますので、適宜参考にしながら読み進めてください。 本稿の内容は、 <ワイン概論16:赤ワイン醸造4> ともリンクしています。 同じ工程であっても、赤ワインと白ワインとではタイミングや目的が異なる場合も多々ありますので、注意してください。 なお、日本のワイン教育においては、醸造用語としてフランス語を用いるのが今日でも一般的ですが、SommeTimes’ Academieでは、すでに世界の共通語としてフランス語からの置き換えが進んでいる 英語にて表記します 。また、醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 SommeTimes’ Viewをしっかりと読み込みながら進めてください 。 8:熟成(Aging) タンクや樽などで行われる熟成は、ワインを育てるという意味合いから、フランス語では「 育成 」を意味する Elevage (エルヴァージュ)という言葉が用いられてきました。 酸素透過率の高い容器 ( 樽 や アンフォラ )の場合、熟成中のワインが徐々に 蒸発 してしまう(天使の分け前、Angel’s Share)ため、定期的に 補酒 をして、容器内にワインをしっかりと満たし続けるようにします。この補酒の作業のことをフランス語で Ouillage (ウイヤージュ)と呼び、英語での呼び名は Ullage (アレージ)となっています。また、一部の白ワインでは、熟成期間中に澱を攪拌する Batonage (バトナージュ)という作業をすることによって、酵母からアミノ酸などの旨味を抽出します。 SommeTimes’ View 白ワインを 酸素透過率の高い容器(樽、アンフォラなど) で熟成させる 場合、赤ワインよりも 補酒(ウイヤージュ)の重要性が高くなる と言えます。一般的な白ワインは、赤ワインに比べてポリフェノール含有量が少ないため、 酸化に対して、より脆弱 です。補酒を怠った場合、もしくはあえて極力行わなかった場合は、最終的なワインに大きな影響が出ます。補酒をあえて極力行わないスタイルの代表例は、伝統的な フランス・ジュラ地方 の白ワインです。

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