幻の定価
- 22 分前
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ワイン業界は、よくセールをする。
決算。在庫一掃。春夏秋冬。創業記念。緊急放出。
よくわからない感謝祭。
理由は見事に毎回違うが、中身はだいたい一緒だ。
二割引、三割引、時には半額以下。
どうやら日本のワイン業界では、祝祭が途切れないらしい。
そういう私も、祭りに参加するのは好きだ。
半額の赤札を前にして、「生産者への敬意がありますので、定価で払わせてください」と申し出るほど、人間が完成しているわけではない。
財布は思想より小さく、赤い数字への反応だけは一流である。
だから、安く買う消費者を責めるつもりはない。


