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エネルギーの螺旋 <ラドヴァン・シュマンが目指す真なる調和>

スティリア地方訪問では、オーストリア側にあるワイナリーを中心に巡ったが、一軒だけ、スロベニア側の造り手を訪ねた。(オーストリアの)シュタイヤーマルク地方は、南側の境界線が全てスロベニアとの国境に接している


シェンゲン協定によって、すでに形だけの国境となっているため、一応関所はあるが、往来を阻まれることはない。


それでも、すでに世界的なスター産地となったシュタイヤーマルク地方と、スロベニア側のシュタイエルスカ地方の間には、あまりにも大きな格差が形成されている。


元々は一つのスティリアであった事実がまるで無かったかのように、ワインの評価や人気は大きくシュタイヤーマルクがリードしているし、国境を超えてスロベニア側に入ると急に、家屋の質も変わる。


資本主義国家と、旧社会主義国家の違いが、矢継ぎ早に目に飛び込んでくるのだ。


より包括的にスティリアを捉えるために、シュタイエルスカ地方でも取材を重ねたい思いはあったが、時間の制約上、残念ながらそれは叶わなかった。


そして、唯一訪問することができたSchumann(シュマン)も、この地方では特異中の特異な存在であるため、特集記事の枠には含めず、スピンオフ的なレポートとして紹介することとする。


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