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ワインの「ネズミ臭」と発酵食品の共通点

10 時間前
読了時間: 8分

――ワイン・マッコリ・キムチ・ビールを、乳酸菌と香りの研究から考える

調査基準月:2026年9月


はじめに

ワインを飲んだ後に、ネズミの飼育ケージや湿った穀物、米菓、だだちゃ豆のような香りが口の奥に残ることがある。

「ネズミ臭」、日本では俗に「マメ臭」と呼ばれる欠陥的特徴だ。


今回の調査は、ワインだけでなく、マッコリやキムチでも同じような香りを感じ、ビールではそれに似た軽い香りを感じたという体験に、連続性と再現性が見られたことを、出発点としている。


いずれも、口に入れる前より、飲み込んだ後に遅れて強く残るという共通点があった。


公開されている研究を調べると、乳酸菌は、この4つの食品・飲料をつなぐ重要な存在であることがわかる。


ただし、乳酸菌が関わっていることと、同じ臭いの原因物質が作られていることは、分けて考える必要があるだろう。

 



1.ネズミ臭とは何か

ネズミ臭は、英語では mousy off-flavour や mousiness、フランス語では goût de souris と呼ばれる。


表現には幅があり、ネズミの飼育ケージのほか、クラッカー、米菓、ポップコーン、ソーセージの皮、だだちゃ豆などに例えられる。


こうした香りの表現だけでは、欠陥かどうかは判断できない。


特徴的なのは、口に含んだ後に現れ、不快な余韻として残ることである。


ワインで主な原因とされるのは、次の3物質だ。

略称

物質名

ATHP

2-アセチルテトラヒドロピリジン

APY

2-アセチル-1-ピロリン

ETHP

2-エチルテトラヒドロピリジン

これらは酸性のワイン中では揮発しにくく、グラスを嗅ぐだけでは気づかないことがほとんどである。


口の中で唾液と混ざり、酸性の度合いが弱まると揮発しやすくなり、口から鼻に抜ける香りとして感じられる。


この性質が、「飲む前は分からないのに、飲んだ後で強く感じる」という現れ方を説明する。


ただし、揮発が唾液に相当程度依存するため、人によって感じやすさは大きく異なる。[1、2]

 


 

2.乳酸菌は4つすべてに関係している

乳酸菌は、ひとつの菌の名前ではなく、糖から乳酸を作るさまざまな細菌の総称である。

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