top of page

儚く、美しいワイン <トスカーナ特集:Montepulciano編>

なぜかいつも忘れられている。


Vino Nobile di Montepulcianoは、そういうワインだ。


トスカーナ州のサンジョヴェーゼから造られる三大赤ワインの一つでありながら、最も語られることが少ない、地味な存在。


ワインのプロフェッショナルであっても、同州のサンジョヴェーゼを選ぶなら、Chianti ClassicoかBrunello di Montalcinoのどちらかから、真っ先に探す人が大多数だろう。


場合によっては、一部のサンジョヴェーゼ系スーパー・トスカンの影にすら隠れている。



日本語に直訳すると、「モンテプルチャーノの高貴なワイン」という実に覚えやすい名称だが、横文字のままだと、どうにも長い。


Vino Nobile di Montepulcianoにとって、Montepulcianoは地名を意味しているが、他州には同名の葡萄品種があり、生産量もかなり多いため、なんともややこしい。


確かにライバル産地に比べると、生産者の数も生産量も少ない


さて、これらはVino Nobile di Montepulcianoが忘れられがちな理由となり得るのだろうか。


正直なところ、私にはわからない。


もっともらしい理由をどれだけ考えてみても、納得がいかない。


Vino Nobile di Montepulcianoは、美しく、奥深い魅力に満ち溢れた、至高の銘醸。


私にとっては、今も昔も、そういうワインなのだ。




歴史・変遷

Vino Nobile di Montepulcianoが、トスカーナ州の中でも飛び抜けて豊かな歴史が確認できる産地であることは、あまり知られていないかも知れない。

記事の続きは…

sommetimes.net を定期購読してお読みください。

bottom of page