ポートは偉大な飲み物だ。
そのことに疑いの余地は微塵も無い。
しかし、2005年以降、ポートの売り上げは右肩下がりの状況が続いている。
今回訪問したポート・ハウスでも、その苦境ぶりが例外なく聞こえてきた。
「甘口離れ」は世界的な潮流であり、「辛口マッチョ信仰」の勢いは止まることを知らない。
だが、本当にポートが売れなくなっている理由は、「甘いから」なのだろうか、と疑問が湧いてくる。
確かに、甘いというだけで無条件毛嫌いするワイン消費者が多いのも、甘口ワインに対して全く理解を示さないプロ(立場を考えれば恥ずべきことと思うが)が一定数いることも事実だが、問題の本質は少し違うところにあるような気がするのだ。