焼きとうもろこしとの、意外なペアリング
- 10 分前
- 読了時間: 4分
夏になると思い出す。
お祭りに漂う、あの懐かしい香りを。
少し焦げた焼きそば。
炭火の上で転がされる焼き鳥。
そして、大好物だった焼きとうもろこし。
あの甘く香ばしい匂いが漂ってくると、まだ姿が見えていなくても、だいたいどこに屋台があるのかわかったものだ。
さて、今日は焼きとうもろこしの話をしよう。
焼きとうもろこしと一口に言っても、食べ方は幅広い。
塩、バター、味噌、チーズ、スパイス。
あるいは、メキシコの屋台料理であるエローテのように、マヨネーズ、ライム、チリ、チーズまで総動員すれば、焼きとうもろこしは一気に国際派になる。
だが、日本の夏という文脈で考えるなら、やはり甘辛い醤油ダレを塗り、香ばしく焦がしながら焼くタイプには、特別な存在感がある。
とうもろこしそのものが、すでに十分に甘いのに、なぜさらに甘いタレを塗るのか。
それは、塩気と旨味を加えることで、とうもろこしの甘さをより鮮明にするためでもある。
さらに、火に当てると魔法がかかる。
醤油と糖分が高温で焼かれ、メイラード反応にカラメル化も重なることで、格別な香ばしさが生まれる。
中心に残るとうもろこし本来の瑞々しい甘さ。
その上に、甘く、しょっぱく、香ばしく、そして少し苦い焦げが乗る。
焼きとうもろこしの魅力は、この重なりにあるのだ。
だから、見た目以上に、味の情報量は多い。
甘みだけを見てワインを合わせようとすると、肩透かしを食らってしまうのだ。



