料理とワインの間で五味を合わせる、というのはペアリングの基本的な考え方の一つだが、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、旨味)の中には、一つ非常にトリッキーなものがある。
苦味、だ。
その理由は、ワインに「苦味」がたいして含まれていないため、そもそも五味合わせが成立しないから。
一部のアロマティック系白葡萄に見られるフェノリックな苦味や、ミネラルの刺激によるものと考えられる余韻の苦味、などは一応あるが、どれもペアリングの要素としてカウントできるほど強くはない。
しかし、実際には料理の苦味に対してワインでしっかりとアプローチすることは、難しくない。
いや、むしろ非常に簡単だ。
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