色眼鏡
13 分前
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顔を知るほど、そのワインを厳しく評価することは難しくなる。
ジャーナリストである私にとって、この問題はとりわけ重くのしかかる。
だが、造り手を訪れることもあるソムリエやカヴィスト、ワインメーカーズディナーなどで造り手と親しくなる一般消費者にとっても、全く無縁な話ではない。
私自身は、公平公正を掲げるジャーナリストとして、造り手との距離感をできる限り丁寧に、慎重に築くよう心がけている。
それでも、完全に冷酷であることは難しい。
畑を一緒に歩き、ひんやりとしたセラーで樽に囲まれながら話を聞く。
なぜこの土地を選んだのか。
なぜこの品種を植えたのか。
なぜ収穫を三日待ったのか。
なぜ全房比率を上げたのか。
そうして一本のワインの向こう側にある時間を知ってしまう。


