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韓国伝統酒の奥深き世界 Part.4
Part.4では、 韓国訪問時に購入した 伝統型ソジュ のレポートをしよう。 Part.2 で解説した通り、現代で知られている最も一般的なソジュは、1960年代以降に台頭した 希釈型ソジュ である。 すでに伝統型と希釈型とでは、比較にすらならないほどマーケット規模が異なっているが、約700年とも1200年とも言われる間生き残ってきた伝統の価値は、計り知れない。 そして、この伝統を絶やさない様に、韓国政府が導入したシステムがある。 国家指定名人制度 だ。

梁 世柱
2 日前


韓国伝統酒の奥深き世界 Part.3
Part.3では、 韓国訪問時に実際にテイスティングしたマッコリを解説していこう。 なお、国内流通用のボトリングであることから、ほとんどのマッコリが韓国語でのラベル表記となっていたので、銘柄名は表記せず、写真を追う形で紹介していく。 また、今回の試飲は、Namsun Sool Clubというスル専門のバーにて行った。 試飲したマッコリの共通点としては、フレーバードの有無に関わらず、保存量、調整剤的な添加物を使用していない、伝統製法マッコリのカテゴリーに該当するという点だ。 写真左 どぶろくに限りなく近い、非常に分厚くクリーミーな濁り具合。 ヴァニラ、洋梨を思わせる風味は程よい甘さを感じさせ、わずかなタンニンが輪郭をもたらしている。濃厚だが、不思議なほど軽やかなに楽しめる逸品。 写真右 軽快でフレッシュ感に優れたタイプ。柑橘類を思わせる鋭い酸味や、スパイス感が非常に個性的。甘さを感じさせる要素は皆無に等しく、マッコリとしては際立って辛口の仕立てとなっていた。

梁 世柱
11月27日


韓国伝統酒の奥深き世界 Part.2
Part.2では、韓国伝統酒(スル)の中で、マッコリ以外の主要なものを解説していこう。 チョンジュ 漢字(韓国ではすでに漢字の公的使用が実質的に廃止されている)では 「清酒」 と書くチョンジュは、 マッコリを濾した後の上澄みだけを抜き出したスル である。 つまり、マッコリはどぶろくと、チョンジュは日本の清酒とシンクロするような関係性にある。 マッコリに比べると遥かにマイナーな存在ではあるが、古代三国時代(4~7世紀)の文献にはすでに、宮廷で濁酒と清酒を使い分けていたと記述されているため、歴史は非常に古い。 李氏朝鮮王朝時代(14末〜19世紀末)には、ポプジュ(法酒)と呼ばれた宮廷専用のチョンジュが重用され、特にキョンジュ(慶州)で造られたものは、キョンジュポプジュと呼ばれて名を馳せた。

梁 世柱
10月26日


韓国伝統酒の奥深き世界 Part.1
韓国で活躍する同業のプロフェッショナルたちから、何度も何度も聞かされていた。 韓国国内には、驚くべき品質の マッコリ、ソジュ、薬酒 (韓国ではこれらの総称として、 「スル」 という言葉が用いられる)が存在していると。 しかしそれら韓国の歴史深い国酒に対して、日本では韓国料理店や焼肉店における、「安価な選択肢」としてしか、市場が開かれていない。 市場が無いなら、当然輸入も著しく制限される。 つまり、最上のマッコリやソジュを体験するためには、韓国へと行くしか無かった。 なかなか機会を作ることができなかったが、今回12年ぶりに韓国を訪問することができたため、スルの集中テイスティングを行なった。

梁 世柱
10月18日
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