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Wine Memo <29>
Smallfry Wines, Gewurz Bomb 2022. ¥4,000 オレンジワイン は楽しい。 白ワインとして、長年にわたって練り上げられてきた、 「クラシックな佇まい」 とやらが、オレンジワインになった瞬間から、 様変わり するからだ。 白ワインの常識は、オレンジワインには通用しない 。 もしかしたら我々は、白葡萄の数だけ 「学び直し」 が求められている時代を生きているのかも知れないが、その分だけ楽しさが増えたと思えば、なんてことはないだろう。

梁 世柱
2024年11月3日


SommeTimes’ Académie <28>(ワイン概論24:オレンジワイン醸造 2)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。今回は 、一般的なオレンジワインのスタイルを学んでいきます。 試験後に忘れてしまった知識に意味はありません 。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「 記号 」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「 何を意味するのか 」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。 SommeTimes Académie では、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「 リアル 」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。 SommeTimes’ Viewをしっかりと読み込みながら進めてください 。 多様化 オレンジワインが復活し、世界中で造られるようになった現在、そのスタイルも多様化の一途を辿っています。それらのスタイルを整理するためには、 3つの要素 を組み合わせ

梁 世柱
2022年6月22日


出会い <5> 衝撃のオレンジ
Vinyas d’Empremta, Rabassa 2019. ¥5,200 オレンジワインの復興は、北イタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州とスロヴェニアの国境付近から始まりました。 復興が始まったばかりの1990年代後半は批判も多かったのですが、2000年代に入ると徐々に理解を得るようになり、2010年代から一気に世界各国に拡散、今では第4のカテゴリーとして完全に確立したと言っても過言ではありません。 そして同時に、そのスタイルも、爆発的に多様化しました。 ほとんど白ワインと見分けがつかない色、ほぼ茶色のワイン、確かにオレンジ色に見えるものなど、色だけでも多種多様。 味わいも、古典的な旨渋味型、モダンなフルーティー型、いいとこ取りのバランス型と、大きく分けても3種類。さらに、濁っていたりいなかったり、泡立っていたりいなかったりと、これはもう確かに、一つの立派な大カテゴリーとしての確立を実感させられます。 中でも、筆者が特に注目しているのは、 混植混醸 (一つの葡萄畑に植わった多種類の葡萄を、全て混ぜて醸造する)タイプのオレンジワインで

梁 世柱
2022年1月16日


ジョージアの試練 <オレンジワイン特集後編>
イタリアとスロヴェニア の国境地帯に股がる ゴリツィア の地から始まった オレンジワインの再興 は、消滅寸前まで追い込まれていた、 古代のワイン文化 を発掘した。 ジョージア と、ジョージアの伝統的な クヴェヴリ(*1)による醸造 、そして白葡萄の果皮を漬け込んだまま発酵した オレンジワイン である。大多数の現代的なワイン市場にとっては、ジョージア産オレンジワインは、まるで人類の前に突如姿を現した シーラカンスのような存在 であった。しかし、そのショッキングな登場から10年以上が経過し、今改めてジョージアの古代ワイン文化は、問われている。 骨董品として何も変わらない姿であり続けるのか、古代の文化を継承した現代のワインであるべきかを 。 *1: ジョージアで用いられる素焼きの土器。円錐形で地中に埋めて使用される。ジョージアの西側ではチュリとも呼ばれる。 ジョージアワイン文化の始まり 歴史の話を楽しめるかが、人それぞれなのは重々承知している。しかし、ジョージアの、そしてオレンジワインの理解を深めるためには、歴史を知ることは必須と考える。しばらく、お付

梁 世柱
2021年8月22日


オレンジ色の夢の続き <オレンジワイン特集前編>
オレンジワインは、過去からの手紙を収めたタイムカプセルのような存在だ。そこには、センチメンタルな美しさと儚さがあり、時空を超えたノスタルジーがある。近代的醸造技術が発した同調圧力は、強引な都市開発が古民家を破壊し尽くすかのように、そこにあったはずの確かな価値を、文化と伝統の墓場へと放り込んだ。しかし、地中深くに埋められた古典美は、志高き英雄達によって掘り起こされ、再興の道のりを力強く一歩一歩踏みしめながら、進んできた。 改めて向き合おうと思う。オレンジワイン再興の物語と。そして、その夢の続きと。 名称と色 オレンジワインというカテゴリー名は、 2004年にイギリスのワイン商であるDavid A. Harvey によって考案された。オレンジワインに関する最古と目される歴史をもつ ジョージア では、歴史的に「 アンバーワイン (琥珀色のワイン)」という意味をもつ Karvisoeri ghvino という呼称が用いられてきたため、正にジョージアスタイルのオレンジワインをアンバーワインと呼ぶことも多いが、 単純に「カテゴリー名」としての機能を考えた場合

梁 世柱
2021年8月8日


ごちゃ混ぜのオレンジ
Gemischter Satz。原語表記すると、読める人はほとんどいないのではないだろうか?日本語風に読むと「ゲミシュター・サッツ」。日本語にしても、舌を噛みそうで読みにくいし、どうにも覚えにくい。 しかし、ワイン(マニア)道を突き進む人なら、知っておいて損はない。...

梁 世柱
2021年2月9日


ポルトガル・プレミアムワイン
「世界でも最もコストパフォーマンスに優れた国の一つ」 これが、ポルトガルというワイン伝統国の、ワイン市場における現代の一般的評価だろう。 現代の、と付け足したのには理由がある。 ポルトガルと言えばポートワイン、というイメージからの脱却が、...

梁 世柱
2020年12月1日


最近よく聞くオレンジワインって何?
しかし、このカテゴリーは、数多くの誤解をされているため、 いくつかのテーマに分け、改めて整理整頓しながら検証していきます。 1. 名称 オレンジワインという名称は、イギリスのインポーター発祥だそうです。 オレンジワインが必ずしもオレンジ色をしていない、オーストラリアにオレン...

梁 世柱
2020年12月1日
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