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  • ペアリングの実践 <1>

    今回は、これまでに学んできた酸味、甘味、渋味、アルコール濃度の項目を、実際のペアリングでどのように取り入れていくのかを、実践編として紹介していきます。

  • サペラヴィに見出した「綺麗」な魅力

    こんにちは。バルニバービの岩崎です。 普段はもっぱらスパークリングワインか白ワインばかり飲むのですが、寒くなるとわかりやすく赤ワインが飲みたくなります。 ということで(?)、 寒い冬に美味しい赤ワインをご紹介します 。 今回ご紹介するのは、 世界最古のワイン産地ジョージア の赤ワインです。 クヴェヴリ という素焼きの壺で醸した オレンジワイン が有名ですが、個人的に可能性を感じているのが、“ サペラヴィ ”という土着品種で造られる赤ワインです。 この サペラヴィ という黒ブドウは『 染料 』という意味があり、非常に色素が濃いです。“ タントゥリエ品種 ”といって ブドウの果肉まで赤いのが特徴 です。(通常黒ブドウは果皮は赤紫色でも果肉は白ブドウと同じく黄緑色をしています) 2018年に現地を訪れる機会をいただき、今回ご紹介する パパリ・ヴァレー にお伺いした際に、造り手である ヌクリ・クルタジ 氏が『ちょっと見てごらん』と、その色の濃さをわかりやすく伝えるためにパフォーマンスをしてくれました。 テイスティングをしている サペラヴィ の入ったグラス(ワインはグラスの4分の1程度入っていました)に、500mlのペットボトルから水をグラスに注ぎ始め、そしてなんと全て注ぎ切ってしまったのです(!!) その場にいた我々日本人一同は一瞬『え、なに…!?』というリアクションだったのですが、 ヌクリ氏が グラスの向こうから光をかざしているのにその光がこちらに届いていない ことに気づきました。 そうなんです、 500mlの水で薄めても光を通さないほどの色の濃さ だということです。 サペラヴィ はこのように非常に濃い色合いをしており、 酸とタンニンが豊富で果実の厚みもしっかりとあります 。他のワイナリーでも サペラヴィ のワインをテイスティングさせていただきましたが、造り方によって非常にバリエーション豊かだという印象を受けました。 Semi Sweetのタイプも多くありますし、クヴェヴリを使わずにステンレスタンクで発酵したものや樽発酵・樽熟成のものではまた 味わいが大きく異なります 。 ただ正直なところ、 全体にどこか野性的なニュアンス が感じられ、何となくクセがある気がしてそこまで興味を惹かれてはいませんでした。 ところが、こちらの パパリ・ヴァレーのサペラヴィ を飲んでそれまでのイメージが大きく変わりました。まず、アルコールが非常に高いことに驚きます。 その時にテイスティングしたものは何と 17%以上 (!) アマローネのようにブドウを干しているわけでもなく、過熟したブドウを使っているわけでもないようですが、 とても糖度が高くなり 、またその豊かな糖をアルコールに変えることができるような酵母が働くとのことでした。ただ、アルコールボリュームがやたらと目立つわけではなく、 酸がきちんとバランスを取っています 。ふくよかでたっぷりとした果実味がありますが、パワーで押してくる感じではなく、 どこか優しくとても綺麗な質感 です。 そう、“ 綺麗 ”なんです。 その理由は、ヌクリ氏の 徹底した衛生管理、そしてデータ分析に基づくワイン造り にありました。 彼はブドウを 有機栽培 で育て、発酵は 自然由来の酵母 を使用し、 無濾過で瓶詰め をする 自然派の造り手 です。醸造施設には古代から伝わる クヴェヴリ が並び、更に 現代技術を投入した最新の設備が整っています 。 クヴェヴリにブドウを入れて、たまにテイスティングしてあとは自然に任せる、というのではなく、元物理学者であるヌクリ氏は数字データをしっかりと分析し、 感覚だけに頼らないワイン造りを行っています 。 彼らの マラニ (*1)は3層構造になっており、地上で施設内の砂に埋めて温度管理をした壺と、地下に埋め自然の温度環境に任せた壺の2種類を使用しています。 グラヴィティフロー (*2)でワインを移動させながらじっくりと熟成させることで、ワインに負担をかけず、また、密閉できるステンレス製の蓋を用いて 微生物による汚染を防いでいます 。 ワイン醸造の過程で何かを加えることはほとんどしないけれども、ブドウの良さを十分に発揮させるためにきちんと管理をしているのです。 この“綺麗”なワインはこうして生まれるんだ、ととても納得しました。 そして、 サペラヴィ のポテンシャルを感じる上で大きな経験となったのが、2007年ヴィンテージの サペラヴィ をテイスティングさせていただいたことです。 やや発展的な色調が見えましたが、若々しい果実味は残しつつアルコール感がやや落ち着き、タンニンがきれいに溶け込んでいてとてもなめらかな質感になっていました。 綺麗なワインが、より美しく昇華 していたのです。 若いうちはパワフルすぎてちょっと荒々しさがあるサペラヴィは、熟成させることで程よく落ち着き、更に奥行きが出てくるのでは、と感じました。 残念ながら現地でも他に熟成したワインを飲むことがなかったのですが、こちらのパパリ・ヴァレーのワインは小売り価格3300円とお手頃なので、まとめて購入して寝かせておくのも良さそうです。 生産者: Papari Valley /パパリ・ヴァレー ワイン名: Three Qvevri Terraces Saperavi / スリー クヴェヴリ テラスズ サペラヴィ 葡萄品種 :Saperavi / サペラヴィ ワインタイプ :赤ワイン 生産国 :ジョージア 生産地 :カヘティ ヴィンテージ :2018 インポーター :Mottox 参考小売価格 :¥3,300 現地で2017年のワインを分けていただいたので、そちらは今もまだセラーでお休みさせています。より深みを増した新たな魅力を備えたサペラヴィをお客様と分かち合うのが楽しみです。 【パパリ・ヴァレーについて】 ジョージアの東、カヘティ地方のアハシェニ・ヴァレーに位置し、2004年に設立されたワイナリーです。ワイナリー名のパパリは「馬のたてがみ」という意味があり、ワインラベルのモチーフにも使われています。 9.3haのブドウ畑が広がる緩やかな台地は、コーカサス山脈が見渡せる程の広大さで、世界で最も美しいワイン産地の一つに数えられています。 (*1)マラニ:ジョージア語で「クヴェヴリの埋まる場所」つまりワイナリー、もしくはセラーを意味する言葉。 (*2)グラヴィティフロー:醸造プロセスの中で液体を移動させる際、酸化や負荷によるショックのリスクが伴うポンプでの汲み上げではなく、重力を利用して自然落下によって移動させる手法。ワインはより繊細なバランス保つことができ、最終的な品質に大きく関与する。 <ソムリエプロフィール> 岩崎 麗 / Rei Iwasaki 株式会社バルニバービ 飲料統括 1983年茨城県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、様々なシーンをプロデュースできるレストランでのサービスに魅せられ飲食の世界へ。 2012年株式会社バルニバービ入社。現在90を超える店舗のワインリストを監修する。 一店舗一業態、というコンセプトのバルニバービに合わせ、ワインリストも店舗により異なる。誰でもネットで世界中のワインを手に入れられる時代だからこそ、ソムリエというワインのプロフェッショナルの視点でのセレクト、ブランド力や人気の品種にとらわれない提案をモットーとしている。 ワインスクール レコール・デュ・ヴァンの講師も務め、ワインの裾野を広げるべく精力的に活動している。 <株式会社バルニバービ> 1991年創立の飲食グループ。 ■バルニバービという名前の由来■ 幼い頃、誰もが一度は読んだことのあるスウィフトの「ガリバー旅行記」。その第3篇、第4章に出てくる島の名前、それがバルニバービです。そこには研究所機関が国王の命でいたるところに設けられ、様々な馬鹿げた研究が行われていました。キュウリから逆光合成により太陽エネルギーを抽出する方法、永遠エネルギー、不老不死、蜘蛛に織らせる織物、等々…。これらの研究は絶対机上の論でなければならない、実現は堕落であるといったものでした。ここでスウィフトは当時の頭でっかちの英国の風流を痛烈に批判しているのです。21世紀を目前とした今(バルニバービ設立当時)、スウィフトの提示した「バルニバービの教訓」を踏まえ、机上の空論ではなく、実体(アナログ)を伴った真の飲食ビジネスを推進するべく、あえてこの逆説的ネーミングを引用しました。

  • ナチュラルワイン嫌いな方へ

    これは、アンチ・ナチュラルワイン派だった私の考え方が変わるきっかけになったお話です。 ナチュラルワインの一部は オフ・フレーヴァー (醸造的に欠陥であると思われている香りや味わい)をもっていることが多いです。私も白ワインで マニキュアみたいに感じる揮発酸の香り や、赤ワインでも 還元からくる焼けたゴム(硫黄臭)のような香り は好きではないです。初めはそこまで気にしていなかったのですが、ワインの勉強をすればするほど、 この香りや味わいは欠陥だと思うようになりました 。 そんな私の考えを根本的に覆し、改めねばならないなと思わせてくれたのが、とあるMW(マスター・オブ・ワイン *1)のセミナーでした。 皆さんもご存知かもしれませんが、昔ながらの栽培方法で プロヴィナージュ(マルコタージュ )という方法があります。チリでも ムグロン として知られ、ブドウ樹の最も簡単な増やし方で、枝を地中に植えるだけ。根っこがでたら本体と切り離して、と簡単に増やしていく方法です。 フィロキセラ以前では多くの畑がこのように植樹されていました 。しかし、近年ではより良いブドウを求めて、 クローナル・セレクション (優良株のクローン選抜)や土壌や気候に合わせた ルート・ストック (台木選別)など新しい栽培技術が組み合わされ、ヴァイン・ナーサリーvine nursery(ブドウ苗木園)で大切に、大切に育てられています。 ここからが本題です。 「これらの(近代的な)栽培方法は見方を変えるとある種の一脱した姿であり、倫理観が欠けている」とMWは言うのです。 実際人間に置き換えると、自分の手足を切って隣に刺して増やしているような状態にあり、100年経っても同じ人間が生きていることになる。 何世代も同じ生き物が地上にいる 、育ち続けていることは本当に正しいことなのか? さらに バクテリア、ウィルスというのはどんどん進化 していて、大昔のクローンをずっと植え続ければ、 一発で進化したウィルスやバクテリアにやられてしまう可能性がある 。気候変動により、環境は劇的に変わってきているのに、変わっていないのはブドウだけ。美味しいワインを造る為とはいえ本当にそれで良いのか? 実は こういう倫理観を声高々に挙げている のが賛否両論ある “自然派“ワイナリー の方達だ。彼らの多くは、 葡萄畑における生態系の多様性を重視 するので、 クローンに頼ったモノカルチャーを嫌う 。読者の皆様の中には自然派ワインを飲んで、「あれは飲めたもんじゃない」と片付けてしまう方もいるだろう。しかしこのような倫理観のフィルターを通して物事を見ると、「なるほどな」と納得していただける方も多いのではないだろうか。 これを聞いて、実際に私は、「なるほどなー!!」と思いました。 たしかに倫理観で見るとおかしい。おかしい。。例え綺麗な顔をした女性でも100人同じ顔が並んでいたら気持ち悪ささえ覚える。ナチュラルワインを自分の好みで判断するから受け付けないのであって、 この倫理観を聞いて納得していただければナチュラルワインの見方は変わるのではないでしょうか ? そんなことを考えながら、今回はビオディナミのパイオニアのワインを選んでみました。世界中の著名生産者が加盟するビオディナミ推奨グループ、 Renaissance des Appellations の創設者でもあります ニコラ・ジョリー のワインです。有名がゆえ、説明をある程度割愛させていただきますが、こちらは レ・ヴュー・クロ というセカンドワイン。樹齢80年を超えるオールド・ヴァインから造られます。彼のトップキュヴェの クーレ・ド・セラン は飲む1日前にデキャンタをしてくれとニコラ・ジョリー本人も言っていますが、 レ・ヴュー・クロは開けて割とすぐ飲めます 。 私もそうでしたが、ナチュラルワイン嫌いな人は 飲まず嫌いしている人が多い気がします 。まずは王道生産者から少しずつ試してみてはいかがでしょう?あなたの新しい扉が開くかも! 生産者:Nicolas Joly / ニコラジョリー 畑:Les Vieux Clos / レヴュークロ クラス:セカンド 葡萄品種:Chenin Blanc / シュナンブラン ワインタイプ:White / 白ワイン アルコール度数:15% 生産国:France / フランス 生産地:Savennieres / サヴニエール ヴィンテージ:2018 インポーター:ファインズ 参考小売価格:¥6,300 ティスティング コメント トップノーズはVA(Volatile acid)=揮発酸が強いです。わかりやすくいうとマニキュア、良い香りに例えるとBeeswax(蜜蝋)などです。ほのかにクミンとかインドカレーのスパイスみたいなオリエンタルな香りがあります。フルーツのトーンはゴールデンデリシャスやカリンなど、瑞々しくクランチーでフレッシュなTree fruits(木なり)のイメージです。 味わいはボリュームがあり、なんとアルコール15%もあります。成熟度の高さからくるコンセントレーションもあり、アタックからミッドパレットまでぎゅっと詰まったイメージです。葡萄品種の特徴からくる、活き活きとした強い酸味が作り出すみずみずしいマウスフィールもあり、ボリューミーな味わいを引き締めています。アフターには塩味を伴ったミネラルのグリップがあり、メリハリのある立体的な味わいとなってうて、広がっていくような長い余韻が特徴的です。 (*1)MW:イギリスに拠点を置くマスター・オブ・ワイン協会が認定する最上位資格。ワイン業界の慣例で、敬称として名前の後にMWとつける。日本人の取得者は、日本在住の大橋健一MWと、イギリス在住の田中麻衣MWの2名のみ。 <ソムリエプロフィール> 井黒 卓 国際ソムリエ協会(A.S.I.)認定ソムリエ 米国Court of Master Sommelier認定ソムリエ 2020年 JSA主催 第9回全日本最優秀ソムリエコンクール 優勝 2021年 ASI主催 アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール 日本代表

  • オクトーバーフェストに想いを馳せながら

    今年は新型コロナウイルスの影響で自粛態勢が敷かれてしまい、人が集まるイベントやお祭り事をすることが出来ない状態になってしまっていますが、本来だったらお酒の業界にも様々なイベントやお祭り事が存在していて、その一つ一つが我々呑み手を存分に楽しませてくれて、更には飲食業界に活気や利益をもたらしてくれますね。 私がこの文章を書いている時期が10月の頃でして、ビールの業界ではこの時期、ビール大国 「 ドイツ 」にて『 オクトーバーフェスト 』が開催される...予定でした。本当に残念な事に今年は開催中止になってしまったんですけど...次回開催に期待です! ビール業界や飲食業界としてだけでなく、1つの「お祭り」として世界最大クラスの催し物 である『 オクトーバーフェスト 』。 実は開催日は 9月中頃から10月の初旬まで で、開催地が ミュンヘンのテレージエンヴィーゼ って所で、とにかくめっちゃ広い...とか、国を挙げた交通整備がスゴい!...とか、どデカいテントと移動遊園地とパレードと生ライブでどんちゃん騒ぎで遊び倒す...とか、開会式の市長の掛け声...とか、動員数は600万人超え、ビール消費量約700万l、捌いた鳥は50万羽みたいな意味分からん統計...とか。 オクトーバーフェストの様子 歴史やしきたり、その他もろもろ...、もうとにかく語り尽くせないくらい大規模で歴史的かつ伝統的でクレイジーな祭典がこの『 オクトーバーフェスト 』な訳ですが、本当に語り出すとキリが無くなってしまうのでここではちゃんとビールのお話(特にドイツビールの特徴等)と、毎年オクトーバーフェストの時期に、私の店でも取扱商品としてお世話になっている「 パウラーナー(Paulaner) 」と言う、 ミュンヘンの有名ブルワリーの銘柄 を紹介したいと思います。 ドイツビールの文化でまず真っ先に挙げられる特徴があります。 世界最古の食品に関する法律である「ビール純粋令」 です。「 ビールは麦芽、ホップ、水、酵母のみを原料とする 」と言う規則で今も厳格に守られています。ですが、同じ様な商品ばかりになっている訳では決してありません。 ドイツのビールは地方や街、ブルワリーによってかなり特徴があり 、味、色、香り、アルコール度数全てにおいて バラエティ豊富 です。地方によって原材料も気候も食文化も違うし、街によって伝統と文化が違うし、 造り手によってホップや麦のチョイス等々考え方が違う 。 多くの条件が違うので変化があるのは当たり前ですが、 地元人が地元のビールを愛して消費している という所がまた素敵なところだと私は思います。 文化としてしっかり根付いている証拠 ですね(ヨーロッパではよくある事だとは思います) 。 ビール純粋令 は混ぜ物せず純粋に美味しいビールを作ろうと言う心意気を感じますし、 副材料による味変化を排除して醸造に集中する と言う所も合理的ですし、魅力だと感じます。多様性を求められる今のビール業界において、これもまた1つの長所だと思います 一様にドイツビールの味を語る事が出来ないことは先に話した通りですが、私個人の印象ですが伝統的なドイツビールの多くは食文化に非常にマッチしていて、それでいてビールだけ呑んでいても満足感を得られる、「優しくて温かみのある麦味」があると感じています。 イギリスエールにある、お茶の様なゆっくり呑んでいられる呑みやすさや、アメリカクラフトビールのホップの特徴を活かした遊びのある楽しいビールとも違う満足感があり、 肉料理やシンプルな味付けによく合う 、まさに「 呑む主食 」の様な雰囲気もある気がします(呑むパンなんて言われたりもします) 。栄養と水分を補給できるドリンクとしての機能と、食事を楽しませる機能を両立したお酒... そんな印象がドイツの伝統的ビールには多いと思います。 ラガー発祥の地 バイエルン オクトーバーフェストの開催されるバイエルンは、「 ラガー 」と言う言葉が生まれた地域と言われています。 寒冷期に冷えた洞窟で保管することでゆっくりとした熟成がかかり 、その結果綺麗な味わいを醸し出す作り方です。今や全世界で作っていて、日本の大手も作る「 ピルスナー 」と言われるスタイルもこの「 ラガー 」の1種です(詳しくはまた後日) 。 ラガー発祥ということもあり、味わいは様々ですが伝統的なラガーを作るブルワリーがバイエルンのミュンヘンには多く存在し、 中でも更に伝統を重んじているブルワリーのみがオクトーバーフェストの運営から公式に認められ 、オクトーバーフェストに出店が許されるのです。それが「 ミュンヘン6大醸造所 」と言われており、その内の1つが今回ご紹介する『 パウラーナー 』です。 『 パウラーナー 』は 6大醸造所の中では最も若い のですが、売上はオクトーバーフェスト最大! ミュンヘン正統派でありながら銘柄の品揃えも幅広く、醸造技術も超一流で世界中の技術士が技術研修に訪れます。更にサッカークラブ「バイエルン・ミュンヘン」 のメインスポンサーも務めています。 日本では『 パウラーナー ヘーフェヴァイツェン 』と言う銘柄が特に有名。オクトーバーフェスト時にメインで提供する限定のビールとはまた違いますが、 小麦を使用したこの白濁 色のビール は、バナナの風味を感じさせる酵母由来のフルーティーフレーバーと、とにかく優しい甘味と舌触りが特徴的で、ビギナーから玄人まで幅広く楽しめる銘柄となっております。苦味が少ないのでビールが苦手な方にも「この銘柄なら呑める」と言わせる事もしばしば(笑) 。「 ヘーフェ 」は酵母が存在している、と言う意味で「 ヴァイツェン 」は白や小麦を表す言葉。 ボトルの底に沈んだ酵母を振り起こしながらグラスに注ぐことで、MAXのポテンシャルを発揮してくれます 。 いやはや、ドイツビール奥深過ぎて文章が長くなること長くなること...(ドイツの歴史や哲 学の話とかも入り込んでくるので本当に深すぎます) ドイツビールにご興味出た方はぜひ、お近くのドイツビール専門店やドイツに詳しい方にドイツビールの話を聞いてみてください、伝統的でクレイジーな話がいっぱい聞けることと思いますよ(笑)。 そんな話を聴きながら呑むビールもまた格別!「アインプロージット」を歌いながらでっかいグラスで強めに乾杯したいッスわ!!!(ドイツの有名な乾杯の曲) この度も皆様の飲酒ライフに楽しいアクセントが生まれることをお祈り致します。 それではまた〜。 ブルワリー名 :パウラーナー ビール名 :パウラーナー ヘーフェヴァイツェン Alc. :5.5% ビアスタイル :ヴァイツェン 生産国 :ドイツ インポーター :アイコン・ユーロパブ株式会社 参考小売価格 :¥420 <プロフィール> 高橋 祐之介(のすけ) 湯島 ビアバルボラッチョ店主 1989年生まれの埼玉県幸手市出身 ↓ 大学時代、千葉県柏市にて初めて飲食業及びバーテンダーの仕事を経験、バーテンダーに強い憧れを抱く... ↓ 初めての就職は建築業でしたが、足立区北千住にて夜な夜なBARを徘徊...BARや酒場の奥 深さや存在意義を学ぶ ↓ 湯島にてクラフトビールを扱うBARに出会いそのままそこに就職、パブバーテンダーとし て本格始動し、早々に店長職に昇進するも会社が潰れて志半ばで退職...人生最高に悔しくて 辛い思いをするがやはり諦め切れず、お客様からの後押しもあり復活を心に誓う ↓ 大型店舗のキッチンや高回転の居酒屋の厨房等で経験を積みながら虎視眈々と湯島の店を取り戻す方法を模索する日々を送る ↓ ひょんな事から湯島で再就職し、再就職先のオーナーや関係者に熱意を伝え賛同を集め、そしてついに2018年9月13日、1度追い出された湯島の場所を取り戻す!!!当時からのお客様と大号泣(笑) ↓ そして現在に至る 大好きなこの場所(お店)で通算長い事お店を営業させて頂いております 大好きな空間で大好きなビールとウイスキーをのんびり楽しんでもらいたく常に精進しております 食べ物ももちろん好きです。居酒屋や大型バルで修行を積んだ経験をこのお店で発揮し、更に美味しいものをご提供するために常に奮闘しております 湯島を愛し、湯島に愛される努力をし、「界隈で1番従業員が楽しそうに働く店」を自負しております! <ビアバルボラッチョ> ドリンクはビールとウイスキーがメインです 多種様々なスタイルのビール、ウイスキーを取り揃え、来る度に変化のあるラインナップを 心掛けてます。 フードはパエリアをオススメしてます!出汁をしっかり吸った米は食事としても美味しいで すが、シェアフードとして数人でつつきながらお酒のアテとして食べるのもオススメです。 また、特製ビールソースで煮込んだスペアリブに濃厚とろけるチーズを乗せた「濃厚!チー ズビアリブ」もイチオシで、お酒が進むこと間違いなしです!!! 最近では「パブでもメシを」をコンセプトにしっかりバランスの取れた食事メニューも充実 させていて、近隣のお客様に大変好評頂いております。

  • 進化する日本のロゼワイン

    山梨県甲州市塩山(えんざん)の福生里(ふくおり)。  98WINEs が位置する玉宮地区福生里(塩山でも最北のエリア)は、勝沼より平均気温が4℃低い。標高650m、南斜面で十分な日照に恵まれたブドウ栽培の適地。ワイナリーはモダンな和テイストの家屋に構えられ、随所にちりばめられたクリエイティヴなアイデアとこだわりが素敵。 醸造室のある「鉄の棟」、敷地の高低差を生かして一部地面に埋まる樽貯蔵庫「石の棟」、店舗と公民館機能をもつ「木の棟」から構成されたコンセプシャルな造りだ。 鉄の棟、石の棟は、葡萄の搬入→醸造→貯蔵のプロセスにおいて南向きであることに加え、製造ラインが グラヴィティフロー (*1)で繋がっていくことを重要視し、方位と既存の敷地の高低差を手掛かりに建物配置が検討された。それぞれの棟には平山さんがワイナリーの設立に関わった人たちと導き出した、粋なアイデアがそこかしこに見てとれる。設計を手がけたのは、山梨を拠点にする建築家、坂野由美子さんのS PLUS ONE。2020年にグッドデザイン賞を受賞している。 この98WINEsは、 メルシャンや勝沼醸造などで醸造責任者を務めてきた平山繁之さん が3年前に立ち上げ、2018年産の 甲州とマスカット・ベーリーA の仕込みを始めた新しいワイナリーだ。 ワイナリー名は98%ということからきている という。 単独で100にはならない ということを意味しており、 2%の余白が98WINEsの大きな魅力 なのである。 98WINEsの木の棟 ワインの力を強烈に表現 生産者:98WINEs ワイン名:SOU/霜 葡萄品種:Muscat Bailey A/ マスカット・ベーリーA ワインタイプ:ロゼワイン 生産国:日本 生産地:Yamanashi Enzan / 山梨 塩山 ヴィンテージ:2019 ワイナリー販売価格:¥2,900(参考) 身体に染み入るようなワイン造り を目指していて、「 食中酒として飲めるワインが全て 」と語る平山さんが作るこのロゼは、甲州と韮崎市穂坂町のマスカット・ベーリーAを 徐梗せず全房で発酵 。マスカットベーリーAを小ロットでマセラシオン・カルボニック(*2)して破砕。プレスして、ステンレスタンクに移動させた後に、さらに甲州の果汁を加え、二度目のアルコール発酵を行う。発酵終了までは一切機械を使わない。 全ての発酵が終了後、シュール・リーの状態で低温貯蔵。4か月後澱引き。無濾過。複雑さを伴った見事な辛口で、アルコール濃度は僅か11%。 サラッとしたフレッシュで瑞々しい味わい。口当たりは軽く、酸味もまろやか。華やかな香りが全体的に強く感じられ、とっても飲みやすい。 遠くに富士山を望む絶景が広がるパノラマを楽しみながら飲めるこのロゼは、日本ワインの明るい未来を感じさせる。 98WINEsの平山繁之さん (*1) グラヴィティフロー:醸造プロセスの中で液体を移動させる際、酸化や負荷によるショックのリスクが伴うポンプでの汲み上げではなく、重力を利用して自然落下によって移動させる手法。ワインはより繊細なバランス保つことができ、最終的な品質に大きく関与する。 (*2) マセラシオン・カルボニック:葡萄を破砕せずにタンクに積み上げていくと、自重でタンク下部の葡萄から果汁が流れ出て自然に発酵が始まっていく。発酵が始まると、密閉したタンク内が発酵により生成された二酸化炭素で充満する。充満した二酸化炭素により、酸素の供給が遮断されると、潰れていない葡萄の中に含まれる酵素が動き始め、さらなる発酵が促される。また二酸化炭素は「抗酸化」の役割も果たすため、亜硫酸(酸化防止剤)の過剰な添加を嫌うナチュラル・ワインの造り手には、広く採用されている手法でもある。 <ソムリエプロフィール> 矢田部 匡且/ Masakatsu Yatabe 「東京エディション虎ノ門」 ヘッドソムリエ 「エディション」は「ザ・リッツ・カールトン」と並ぶ、 マリオット・インターナショナルにおける最高級グレードのラグジュアリーホテルブランド。上質なラグジュアリーとライフスタイル型を融合させた世界が注目する最先端のホテル。現在、ニューヨークのタイムズスクエア、ウエストハリウッド、ロンドン、マイアミビーチ、バルセロナ、中国の上海、三亜、アブダビ、トルコのボドルムに展開し、2020年にイタリア・ローマと東京で開業予定。

  • 新潟ワインコースト <日本海と海岸砂丘のテロワール>(新潟特集前編)

    近年、「日本ワイン」の躍進が目覚ましい。日本固有のブドウ品種とされる甲州からは、国際的な主要ワインコンクールで金賞を受賞するワインが造られるようになり、ワインの本場フランス、ブルゴーニュの有名生産者が函館でブドウ栽培を始め、余市のピノ・ノワールで造った最初のワインがリリースされたと聞く。意外かもしれないが、南は九州でも実はなかなかのワインが生産されている。

  • 香箱蟹とギリシャの出会い

    師走のこの季節。何だか慌ただしく感じるこの時期は、一気に寒さが厳しくなり冬の魚達はしっかりと脂がのり、あれやこれやと美味しい季節となります。そして、日本料理において冬の味覚といえば…そう、 蟹 です! 一般的にはズワイ蟹と言われる季節の蟹、英語ではSnow Crabと呼ばれていて、みんな大好きな食材の1つ。そんなズワイ蟹を年内一杯は雌雄両方楽しめます! 雌の蟹はセコ(セイコ)蟹や、香箱蟹などとも呼ばれ、この時期(猟期が11/6〜12/31)だけ楽しまれる貴重な食材です。当店でももちろんお出ししているのですが、ウチでは少し趣向を変えて、 赤酢をきかせた温かい蒸し寿司 にしてお出しています。 乃木坂しん で提供している香箱蟹の蒸し寿司 そしてそんな香箱蟹に合わせるのは日本酒を…それも熱燗を合わせて~、なーんて話しだと記事が終わってしまうので、他の日本料理屋さんにそこはお任せし、当店らしくワインを合わせて、違った楽しみ方をご提案させていただきたいと思います。 今回合わせるワインは、Thymiopoulos / Rosé de Xinomavroです。 生産者: Thymiopoulos / ティミオプロス ワイン名: Rosé de Xinomavro 葡萄品種 :クシノマブロ 生産国 :ギリシャ 生産地 :Macedonia,Trilofos マケドニア トリフォロス村 ヴィンテージ :2018 希望小売価格 :¥2,200(税込) インポーター :Racines ©︎Racines ギリシャ本土の Noussa (ナウサ:*1)にあるこのワイナリーは、自然環境の中で 独自にビオディナミやビオロジック栽培 をおこなっているそうです。 品種名は クシノマヴロ といい、ギリシャ独自の黒葡萄品種です。クシノマヴロは「酸っぱく、黒い」という意味だそうで、赤ワインに仕立てた場合、しっかりとしたボディと豊かな酸が特徴の本格派になります。この生産者はそんなクシノマヴロをあえてレイト・ハーヴェスト(*2)にしたものをロゼとして作り、最後に樽も使って仕上げています。なぜそうしているのかは会ったことが無いので、いつかお話を聞いてみたいなと思っておりますが、ロゼと言えばライトなワインが多い中で、このワインはしっかりとヴォリューム感があり、質感もとても滑らかです。 ワインは石灰岩由来のミネラリーな味わいと香り、木苺模様の甘酸っぱい香りと、酸味はあるものの、落ち着き感があり、 フランボワーズ・ヴィネガーなどを使った鯖のマリネや青背の魚たち、鰹や鮪の赤身の魚、貝類 、そしてなんと言っても 赤酢の酢飯 とピッタリですので、お鮨とは言わずもがな相性抜群です。 価格もとってもリーズナブル!この素敵なワインは、汎用性も高いのでペアリングコースの中でも大変ユースフルなアイテムになること間違いありません。ちょっとした変化球アイテムとしても最高ですね! ご家庭でももちろん大活躍してくれます!ロゼですから 幅広い家庭料理と楽しめます し、このワインならではのヴォリューム感は、 ちょっとした肉料理でも問題なく合わせられる でしょう。是非是非テーブルワインとして楽しんでみてください。でもあまり使われすぎると私の分がなくなりますので、ほどほどに~。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 (*1)ナウサ:ギリシャ北部のマケドニア地方にある小さな産地。生産者数も少ないが、この地の土着葡萄であるクシノマヴロが、世界的に大きな注目を集めている。その他の土着白葡萄からも素晴らしい品質の香り高いワインが作られている。 (*2)レイト・ハーヴェスト:通常の収穫時期よりも遅く収穫することによって、葡萄の糖度を上昇させる。糖度が上がり過ぎると酸度が落ちたり、病害が発生するリスクもある。 <ソムリエプロフィール> 飛田 泰秀 / Yasuhide Tobita The Flying Stones LLC 乃木坂しん オーナーソムリエ 1974年東京都出身 19歳で単身渡英し習得した語学力をもとに、都内イタリアンレストランサービススタッフとして飲食業界でのキャリアを開始する。 2002年 東京・銀座フランス料理「オストラル」。 同店移転オープニング業務にも携わる。 2006年 オストラル閉店に伴い、南青山のフランス料理「ランベリー」開業。支配人として2年間レストラン開業準備から運営の経験を積む。 (在職中、ミシュランガイド東京2008にて1つ星) 退職後、各種レストランの開業運営コンサルタントとして携わり、その経験を活かし、フランス料理「ラ・ロシェル溜池山王」入社。シェフソムリエとして新店舗開業を成功へと導く。 2012 年 東京・銀座日本料理店(当時3つ星)に支配人兼シェフソムリエとして入社。グループのフランス・パリ店の開業に伴い渡仏。開業準備から営業オペレーションなど全ての礎を築く。(在職中1つ星) 2016 年 6 月 日本料理「乃木坂 しん」を開業し独立。オープンから半年でミシュランガイド東京2017において1つ星を獲得。以降1つ星を維持 様々なイベントの企画や開発、育成、ワインスクールでの指導など幅広く活動している。 <乃木坂しん> 東京は赤坂、乃木神社にほど近い赤坂通り沿いに、料理人である石田伸二氏とともに開店させた会席料理店。お料理に合わせたワインや日本酒とのペアリングコースも楽しめる。 ミシュランガイド東京において1つ星の日本料理店

  • 葡萄を知る <4> ピノ・ノワール:New World前編

    ピノ・ノワール特集の後半は、ニューワールドの産地にフォーカスを当てて、前編後編としてお届け致します。

  • 時が彩るワインと人の一期一会

    “一期一会“ よく耳にする言葉です。これは戦国時代から安土桃山時代にかけて茶の世界で活躍した、 千利休の言葉 だそうです。ときに人生を変えてしまうような"人"、はたまた、"何か"に出会ったときに改めて意識する言葉かも知れません。いつでもそばにあるありきたりな存在ではなく、ときに絵画やワインなどのアートや嗜好品にも例えられます。 ワインには、その ヴィンテージのキャラクターが宿ります 。時の経過と共に熟成し、更に注がれたグラスの中で起こる変化なども含めると、「 ヴィンテージの個性 x 時間による変化 」となり、 今飲んでいるその一杯はもう二度と口にできない味わい とも言えます。 時を遡ること12年前、私にもこの業界に興味をもち始めるきっかけとなった出会いがありました。その記憶は今でも鮮明で、お客様がランチと共に楽しまれたハーフボトルの残りを、営業後「勉強に」と、上司が一口飲ませてくれた時でした。それは豊潤な香りを放ち、口に含むとコクがあり濃いのだけれど滑らか。こんな液体が存在するのかと。 それは、ボルドー地方産のとあるグランクリュシャトー(*1)の2003年産でした。 今考えると、 ・そのヴィンテージのキャラクター故 (03のように猛暑であった年は、より果実の凝縮度は増して、若いうちから酸味やタンニンが穏やかで果実味の突出したジューシーな味わいであった) ・それがハーフサイズであった事 (液体容量は半分だが、ボトル内首元にある液面とコルクの間のスペースはフルボトルと変わらないのでその空間の酸素を使ってより早く熟成し、タンニンや酸は柔らかく熟れるとされる) ・営業後のアイドルタイムに飲んだ事 (開栓から既に ‪ 2時間くらい経過していた) などの様々な要因が重なり、若干二十歳の初心者にもそれが「感動する一口」となり得たのだろうと考えることができます。 「飲めばいつでも初心に戻れる。」ボルドーのクラシカルな味わいは、私にとっての原点。今回はその中から、今飲み頃でお勧めの一本をご紹介致します。 同地方で最も多くの高級ワインを産するメドック地区より、 サン・スーラン・ド・カドルヌ 村の名門、シャトー・ソシアンド・マレです。 生産者 : Château Sociando Mallet / シャトー・ソシアンド・マレ 葡萄品種 :Cabernet Sauvignon 55%, Merlot 40%, Cabernet Franc 5% / カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン ワインタイプ :赤ワイン 生産国 :フランス 生産地 :ボルドー地方、メドック地区 AOC : Haut Médoc ヴィンテージ :2007 インポーター :株式会社アストル 参考小売価格 :¥6,380 昨年末に前オーナーのジャン・ゴトロー氏が92歳でこの世を去ったという訃報は、ワイン業界に衝撃を与えました。若くから卓越したビジネスセンスを見せていた氏は、ネゴシアン(仲買商人)での成功を経て1969年よりシャトーを所有し、今日に至るまでの素晴らしい名声と品質の向上に努めたボルドー界の巨匠の一人。現在は娘のシルヴィー・ゴトローへとシャトーは引き継がれています。 単独で村名AOCを名乗れるポイヤックやマルゴーなどに比べるといささか地味で、平凡なイメージがあるオー・メドックの地でも、ピカイチの評価を得るシャトーとして知られ、フランス国内でも絶大な人気を誇ります。 2007年のボルドーは 冷涼で雨の多い春に始まり、8月の降雨量も例年より多く湿潤で全般的に難しい年 。所謂「オフヴィンテージ」と言われ、味わいの凝縮味に欠け熟成にも向かないと敬遠されがちです。 しかし、これもワインの面白いところ。 悪条件な年ほど生産者の腕の見せ所 ともいえます。一流シャトーほど不利を跳ね除け、素晴らしいワインに仕上げてくるので、他者との味わいの差が出やすいです。 また、オフヴィンテージはグレートヴィンテージに比べ、 早くから飲み頃を迎える のも嬉しいところ。「今飲むなら」と、"あえて"そういった年のワインを選ぶことも我々ソムリエには暫しある事です。 一切の妥協を知らないソシアンド・マレもそんな一流のひとつ。ロケーションこそオー・メドックではありますが、 ほぼ最北端に位置 しており、すぐ南に隣接するサン・テステフは単独のAOCを名乗れる村として世によく知られています。シャトーはジロンド川沿いの河口付近に位置する為、水流で削られた 細かい砂利が多く土壌はとにかく水捌けに優れています 。おまけに川を見下ろす 小高い丘 に畑があり、 日照量もしっかりと確保出来る 環境。 恵まれたその素晴らしいテロワールとしっかりとした造り故に、 若いうちは閉じた印象 で力強くタンニンの厳しさばかりが際立ちますが、13年の熟成を経た07はヴィンテージのキャラクターとも相まって、今まさに素晴らしい飲み頃を迎えています。 Haut-Medocは範囲が南北に広く、点在しているため、一貫した特徴が無い タバコやレザー、枯れ葉のような熟成の香りに鉄っぽいミネラルのニュアンスが加わり、煮詰めたカシスのような果実感も仄かに残ります。熟成によるブーケはとにかく素晴らしく、味わいも非常にスムースで既に落ち着きとまとまりを感じさせるところは、それこそ90年代後半の格付け中堅シャトーすら思わせます。(実際に以前ソムリエの友人グループにブラインドで出した事がありますが、皆07より古い年の推測でした。) 過去に保持していたクリュ・ブルジョワ級格付け(*2)の最上位“エクセプショネル"すら現在は申請せず、正に我が道を行くところも潔く格好よいですね。 実はあまり世に知られていませんが、Cuvée Jean Gautreauという最上キュヴェも存在し、これがまた素晴らしい。市場で見つけたら是非こちらも試していただきたいです。 「フルボディーワイン」の代名詞であり、クラシックボルドーはいつでも格式高く長命で気難しいと思われがち。良年を自分好みになるまでセラーで寝かせて、辛抱強く待つのも一つの楽しみ方ですが、早くから魅力に溢れるフレンドリーな年が存在するのも忘れないでいただきたい。自分にとってのお気に入りに出会ったときは誰もが運命を感じるはず。 それも"ワインの飲み頃"と"あなた"が出会う一期一会な瞬間です。 (*1) グランクリュシャトー:一般的にボルドーのグランクリュシャトーという言葉が用いられる時は、ボルドー左岸にある61の格付けシャトーのことを意味します。 (*2) クリュ・ブルジョワ級格付け:1855年のボルドー左岸格付けから漏れたシャトーを中心に、1932年に制定された「対抗格付け」。長い間非公式の格付けでしたが、2003年に公式のものとなり、9つのシャトーが最上位のエクセプショネルに認定されました。 <ソムリエプロフィール> 丸山 俊輔 / Shunsuke Maruyama Restaurant Ryuzu Chef Sommelier 1988年 埼玉生まれ。 2008年 都内のフレンチレストランでサービスとしてのキャリアをスタート。 2011年 ソムリエ資格を取得。 2014年 渡豪、二年間シドニーやメルボルンなどシティのレストランでソムリエとしての勤 務、南オーストラリア州のワイナリーで働く。 2016年 渡仏、パリの星付きレストランで一年間研鑽を積む 2017年 帰国後より現職。 オーストラリア、フランスと計三年間の海外滞在期間中は語学取得に励み、現地や近隣諸国のワイン産地、ワイナリー訪問などにも日々足を運ぶ。国内の食通のお客様のほか、海外からも毎日たくさんのゲストを迎えるRyuzuでは経験、スキルを活かし現在も日々研鑽中。 六本木交差点からほど近くにあるフレンチレストラン。オーナーシェフの飯塚隆太により2011年オープン。2013年よりミシュラン二つ星。

  • 赤酢の鮨とブルゴーニュ

    今回は、ブルゴーニュ赤の一級畑を3種類、マイアミ(米国南東部フロリダ州)のお鮨屋でテイスティングするという企画にしてみた。 マイアミもコロナ禍の影響で、ただの避寒地ではなくなり、NYなどの大都市から人が流れてきている傾向もあるので、本格的なワインラヴァーの需要が今後高くなると予想している。大都市流に、高級鮨とワインを楽しむブルジョワ層も増えるに違いない。今のうちに良いワインを集める準備をしていないといけなくなったのだ。 (ただ、現状マイアミはまだどうしてもパーティー需要が強く、そういった場ではワインよりもカクテルなどの度数の高いアルコール類の人気が高い。) ところで、 気温と湿度は、私たちの味覚に大きく影響してくる と感じている。LAやNYは夏は暑く、冬は寒いが、湿度は一定して低い。一方で、マイアミは、年中温暖で湿度が高い。不思議なことに、 マイアミのような場所だと、味わいの感じ方が違う のだ。温暖で湿度が高いと 発汗量も多く なる。つまり、 人は塩分不足に陥りがち になり、 より濃い味わいを求める ようになるのではないだろうか。 アメリカ屈指の避寒地として人気のマイアミ ずっと住んでいるとその差を感じにくくなるが、訪れてすぐに注意深く観察するとはっきり分かる面白い現象で、かく言う自分もこの職に就いて初めて実感した。 これを肌感覚で感じているマイアミの鮨職人は、じめっとしたマイアミの気候の中でも味わいをハッキリさせるために、 舎利を赤酢で 仕上げる。 それなら!と、 赤酢の強い酸味に合わせて 、 ピノ・ノワール を選択した。 一級畑を選択したのは、純粋に今飲んで、販売して楽しんでいただけるものであるから。 高級ワインを仕入れ始めたとき、まず最初に注目したのが、今回ご紹介させていただく オリヴィエ・バーンスタイン 。 今やアメリカだけでなく日本でも、いや世界中で熱烈なラブコールのかかる彼のワインは、ひと昔前に ブルゴーニュのライジング・スター として取り上げられて以降、今なお止まる事を知らずに高騰し続けているワインで、その実力は折り紙付き。 確かに高価なワインだが、もちろん私自身は、その価値は十分あると思っている。もし読者の皆様が、幸運にもバーンスタインのワインに出会うことができ、この中から一本だけ選んだり、さらなる幸運でまとめて開ける機会に恵まれるということがあれば、是非参考にしていただきたい。 今回は16年ヴィンテージをテイスティングの20分前に同時抜栓した。 1級畑シャンポー 色合いはクリアな中に、周りの方からオレンジ色が少し入り始めてとても綺麗な色彩になっている。 香りは赤いイメージのフルーツや干した肉、錆のようなミネラル感、もうすでに熟成のニュアンスが入って来ている。 味わいは肉付きが少なく、これがピノ・ノワールとわかっていても、どことなく北イタリアのネッビオーロのそれに似たような渇いたタンニンと酸味が印象的で、ついつい意識してしまう。(これは今回いただいたワインのコンディションなのかもしれない。) シャンポーは、一級畑ではジュヴレ=シャンベルタン村の、最も北側のエリアにあり、標高がやや低い。偉大さや深みというより、カジュアルがさ魅力。 1級畑カズティエ カズティエのある東向きの急斜面は、特急畑が連なる斜面の反対側に位置し、急勾差も60メートルほどあるため、区画によって多彩な仕上がりになる。 決して色合いは強くはならないが、好奇心を掻き立てる味わいをもっている。 色合いは今回テイスティングした3種類の中では最も中庸的で、まさにブルゴーニュらしい色。 香りは森の下草や黒のベリー系フルーツ。もう少し複雑味が欲しいと思うほど、まだ熟成を感じさせる香りは少なかった。これからがもっと楽しみなワインだ。 味わいは透き通った酸が印象的で、心地よいタンニンは、量こそ多くないが、口の中にへばりつく感じもある。どちからと言うとシャンポーの方がタンニンを強く感じたが、ほぼ同じ量のタンニンだろう。 余韻もほどよく、この3種では1番飲みやすさを感じた。 1級畑ラブロット 今のところ知る限りでは、有名生産者の中でラブロットを単一でボトリングしているのは、バーンスタインとドメーヌ・ルロワのみ。 改めて村の個性の違いを感じさせる。ジュヴレとは全く違った方向性で、色合いは淡く、完全なクリアではなく、すこしだけモヤのかかったような色調。 全房発酵(*1)由来のハーブの香りに、少しだけ梅干しを感じさせる香りや、よく熟したスモモ、あと藁を感じる香りは複雑だがよくまとまっている。 味わいは僅かな甘みを感じさせる果実味に、長く伸びる酸が輪郭を印象付け、全体的に華奢なイメージに仕上がってる。 タンニンも穏やかで、この3種の中では1番余韻が長い印象を持った。 ©︎Jeroboam 生産者: Olivier Barnstein/ オリヴィエバーンスタイン ワイン名: Gevrey-Chambertin 1er Cru Champeaux & Cazetiers, Chambolle-Musigny 1er Cru Les Lavrottes 葡萄品種 :ピノ・ノワール ワインタイプ :赤ワイン 生産国 :フランス 生産地 :ブルゴーニュ ヴィンテージ :2016年 インポーター :Jeroboam 全てのワインに共通して、非常に綺麗な仕上がりで、各畑の個性がしっかりと出ている。当たり前のことだが、この当たり前が上手く出来ている生産はそう多くないと思っている。 そして、それぞれに合わせやすいネタやおつまみがあったのでここで少しご紹介させていただく。マイアミならではの強めの味だからこそ成立する、ペアリングの妙だと思う。 シャンポー には、 オイスターにウイスキー風味の三杯酢合わせた料理 の相性が良かった。シャンポーの枯れたニュアンスが、ウイスキーの熟成風味と合わさって、牡蠣の味わいを心地よくまとめてくれていた。 ガズティエ には、 戻り鰹の旬の味わいに甘めの玉葱醤油、濃いめのチャツネと醤油の香りを合わせた一皿 が良かった。 ラヴロット は ネタ全般に合わせやすい 傾向があった。 総じて 赤酢の舎利とマグロ は相性が良かったが、他のタイプの和食にも幅広く合わせてみたいという好奇心を掻き立てられる、実りあるテイスティングとなった。 以前、お会いした時にバーンスタインが和食が好きだと言っていたのを思い出した。 きっと彼の味覚は、日本人に近いのではないだろうか。 (*1) 全房発酵:葡萄を発酵させる過程で、果実だけではなく 果梗も含めて発酵させる手法のこと。果梗から抽出される酸によって、酸度が増し、水分によってアルコール濃度が下がるが、独特の「青い風味」もワインに加える。どれだけの割合で全房を使用したのかという意味で、「80%全房発酵」といった表記をすることが一般的。反対に、果実のみを使用する手法は「完全除梗」と呼ばれる。 <ソムリエプロフィール> 松本 昭生 / Akio Matsumoto 1988年熊本出身 2015年より東京 西麻布のL’effervesence にてソムリエとして自然派ワイン、日本酒を中心にワインの仕事をスタートさせる。 2019年L’effervesenceを海外移住のため辞職。11月よりニューヨークでビバレッジコンサルタントとして職を開始する。{Torien NY} 受賞歴 World of Fine Wine List 2017 Most Original Wine List in the World 2018 Best Champagne & Sparkling Wine List in the world 2018

  • 第3世代の躍進と桁違いの可能性

    冒頭から脱線するが、 ニューワールドという言葉の定義は、いまいち釈然としない 。例えば南アフリカ共和国は350年を超えるワイン造りの歴史があるがニューワールドとされている。一方で、近年スパークリングワインで注目を集めているイギリスのことを、はっきりとニューワールドと言う声は少なくない。一般的には、 ヨーロッパの伝統国以外をニューワールドの定義とするケースが多い 様に見受けられるが、これもまた 不明瞭な感が拭いきれない 。 伝統国という言葉が誤解の温床 になっているのだろう。ここでは、より重要な鍵となる言葉を軸に、定義を明確化させたい。 ニューワールドとは、15世紀後半からの大航海時代以降にワイン造りが始まった産地のことである 。それ以上でも以下でもない。だから、南アフリカ共和国はニューワールドで間違い無いし、11世紀からワイン造りを行なっているイギリスはれっきとしたオールドワールドだ。そして、ニューワールドという言葉に頻繁に付随する 最大の嘘 は、 ニューワールド=温暖というステレオタイプな図式 である。ニューヨークワインの感想として「ニューワールドらしくない」というのは、根本的に間違っている。その「らしさ」は 嘘と誤解の上に築かれたもの なのだから。

  • ワインの「天・地・人」を紐解く

    ブルゴーニュ。 ワイン好きにとって、避けて通れない産地。いや聖地といってもいいほどで、そのイメージは確立されております。魅了される人が多いのは、その分かり難さからでしょうか。 謎めいた部分が心をくすぐる のかもしれません。 何がブルゴーニュを難解にしているのでしょうか。 ワインの味わいに大きく影響を与える要素のブドウ品種。ブルゴーニュは白赤共に一部を除いて一種のみ。白はシャルドネ。赤はピノ・ノワール。 これが固定されているからこそ、他の要素の影響が味わいの違いに出やすくなっております 。クローン(*1)による違いもありますがここでは言及しないでおきます。 そして他の要素というのが「 天・地・人 」の三要素。 天 日照量、気温、天候の影響。一年に一回しか結実しないブドウの生育サイクルがどのような気候で進んだのか。 地 地形、地勢、土壌。その場所の特徴、そして土壌によって微妙に変化する味わい。 人 栽培と醸造。どのような意図でブドウを育てて、ワインを作るか。 ブルゴーニュはこれらの違いが、わずかな差ではあるのですが、 明確にその液体に反映されます 。それを知り、理解できることが面白い。 その香り、味わいに何が影響しているのかを、全てではないですが理論的に説明できる。そしてそれを他人と共有できます。 この点が良くも悪くも、熱狂的なブルゴーニュ・ラヴァーを生み出していますね・・。つい人にウンチクを語ってしまいたくなるのでしょう。私も気をつけなければと思いつつ、やってしまう事があるような無いような。 そんな魅力的ながらも難解なブルゴーニュ。 私もワイン業界入ってしばらくしてから、いくつかの素敵な出会いを経てハマってしまい、微妙な違いを理解できるよう勉強とテイスティングを重ねてきました。 そのうちにセラーを購入してワインを少しずつストックできるようになると、何か面白いことできないかなーと思うようになり、思いついたアイデアを今回ご紹介するワインで実行しております。 ニュイ・サン・ジョルジュは北東に位置する ワインは ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュ 。ラルロという生産者の モノポール(一つの生産者のみが所有する畑) の畑から作られます。そしてこのラルロという生産者は、1987年にAXAアクサ(生命保険などの会社)が畑、建物などを購入し興したドメーヌです。 生産者: Domaine de L’Arlot / ドメーヌ ド ラルロ ワイン名: /Nuits St Georges 1er Cru Clos Des Forêts Saint Georges / ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュ 葡萄品種 :Pinot Noir / ピノ・ノワール ワインタイプ :赤ワイン 生産国 :France / フランス 生産地 :Bourgogne / ブルゴーニュ インポーター :AMZ このワインを毎年1本ずつ購入し、ある程度たまったら毎年1本ずつ時期を決めて飲んでみようと。 ヴィンテージを理解するには並べて飲むのも大事ですが、同じ熟成年数を経たものを飲んだ方が真にヴィンテージ理解に繋がるのでは?と思ったのがきっかけです。年一なので正確に比較して記憶するのは難しいですが。 ラルロにしようと思ったのは2002年を飲んで衝撃的に美味しかったことと、そこまで高すぎなかったこと。また生産者の造りの変化が表現されており、経過を追ってみたいと思ったことです。 2008年くらいに思い立ち、2001年ヴィンテージから購入できたので15年経過したら始めようと思っていたら、どこかのタイミングで1998〜2000年も手に入ったので2016年から18年経過した1998年を飲み始め、以後毎年1本10月に開けております(ちょっとした記念日に)。 今年は2002年。ブルゴーニュの偉大な年でこのワインを好きになったきっかけの年。このワインにとってもちょっとした転換期でした。 というのも2003年から完全にビオディナミ農法(*2)に切り替わるのですが、その前から徐々に切り替えており、2002年にこのクロ・デ・フォレは切り替わっていました。2001と2002を飲み比べると全く違うワインかと思うくらいの変化があります。 農法を変えたからだけではなく造りも変化 しており、 SO2(*3)を減らし 、元々取り入れてきた 全房発酵 (梗から果実を外さないで、房ごと発酵槽に入れる手法)での造りを進めているとのこと。 ニュイ・サン・ジョルジュのワインらしい、果実感に混ざるスパイスや土っぽいニュアンスが特徴的ですが、果実のトーンが高く、液体の滑らかさ、華やかさが感じられ、アフターにかけて元々の特徴が顔を出してくる。とても複雑でストーリー性のある味わいになっておりました。 ラルロは1987年からジャン・ピエール・スメ氏が指揮をとり(当時デュジャックというワイナリーで働いており、当主ジャック・セイスの影響を受けていたと言われております)2007年に引退後は、右腕として働いていたオリヴィエ・ルリッシュ氏が受け継ぎます。 2011年に自らのワイナリーを作るために退職し、その後任にはフレデリック・マニャンの醸造責任者だったジャック・ドゥヴォージュが就任。 2014年にクロ・ド・タールにヘッドハントされた為、後任にはジェラルディンヌ・ゴド女史が就任し今に至ります。 近年でここまで人が変わるドメーヌも珍しいかと思いますが、人の影響もワインに出てくるかと思われます。 また ブルゴーニュのヴィンテージ2000年代前半は年の違いが明白で面白い 。白赤で若干違いますが、赤ワインの違いを下記に。 2000 難しい成育期からの優しい果実味に酸が穏やかな印象の、早飲みスタイル。 2001 上記同様だが酸があり少しタイトな印象で早飲みスタイル。 2002 果実感と綺麗な酸が高いレベルで調和し、ブルゴーニュらしさのある偉大な年で長期熟成可能。 2003 猛暑。果実味たっぷりでブルゴーニュらしさが無いと言われてしまう。 2004 冷涼で雨が多く、湿気や虫の被害もあり難しいと言われる。早飲みスタイル。 2005 偉大な年。開花から収穫まで理想的な天候だったと言われる、長期熟成型。 難しいと言われる年の方が生産者の違いが如実に感じられます 。その年の天候をどう捉え、そのように判断したのか。 2003年のような 猛暑の年 は収穫のタイミングにより、過熟したブドウからややボッテリとした果実感主体のワインか、果皮や種子のフェノール熟度は低めだが酸を残したブドウからの凝縮感があるが渋みなども強いワインか等、違いが出てきます。 まさしく天と人との対話の結果がワインに表現されるのですね。来年飲むのが楽しみです。 ワインの楽しみの奥深さの一つとして、 ヴィンテージ(天)、テロワール(地) 、 人 、を理解するのにいかがでしょうか。 (*1)クローン:果実の質、樹勢の強さ、収量、マイクロ気候への特殊な適正等の理由から、選抜された樹をクローン化して植樹する。非常に一般的な手法で、クローナル・セレクションとも呼ばれる。対極にあるのが、畑から複数の樹を選抜して植樹していくマッサル・セレクション。 (*2)ビオディナミ農法:20世紀初頭にルドルフ・シュタイナー博士が提唱した。自然由来の調剤と、地球と天体の動きによって生じる力場的関与を軸にした「調和」を重視する、一種のオーガニック農法。その本質は、畑(土地)の治療ではなく、免疫力を高めて病害を予防することにあるとも言われる。ワインに限らず、その他の食材にも用いられる農法である。非常に厳格な農法であり、特に湿潤地では実践が非常に困難であるが、最終的なワインに様々な好影響をもたらすことから、世界中の生産者が全面的に、もしくは部分的に導入している。 (*3)SO2:亜硫酸塩、平たく言うと酸化防止剤のこと。「抗酸化」と「殺菌」という二つの役割をもち、ワインの安定性を高めるために広く一般的に用いられている。 <ソムリエプロフィール> 宇佐美 晋也 レカングループ エグゼクティブソムリエ 1980年東京生まれ。 2002年株式会社セーキに入社、ブラッスリーレカン上野に勤務。 2006年「銀座レカン」に異動、以後銀座レカンひと筋に10余年、歴代のソムリエやお客様に育てていただき、ワインの研鑽を積み現在に至る。 レストランのソムリエとして居心地良く楽しいサーヴィスのご提供やお料理とワインのマリアージュを日々追求し、自分が経験したワインの奥深さや楽しさを多くの方に知っていただきたいと思っております。 JSAソムリエエクセレンス。 <銀座レカン> 1974年創業、銀座4丁目ミキモト本店ビルの地階に広がるフレンチレストラン。伝統を受け継ぎつつ創造性を加えたフランス料理を、歴代ソムリエが育んできたワインコレクションと共に、最高のサーヴィスと空間にてお届けするよう努めております。

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