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ワインにマメがでたらどうすれば良い?

ナチュラル・ワイン最大の難敵が、通称「マメ」と呼ばれる欠陥です。


ワインが酸素に過剰に晒された時に起こるとされている、細菌汚染の一種で、主因は乳酸菌である可能性が高いとされていますが、酵母菌のブレタノミセスとの関連も指摘されています。


海外では、Mousiness=ネズミ香と呼ばれています。


マメには、pH値が上がらないと揮発しないという性質があり、極めて厄介な存在です。

(一部のマメ関連物質の中には、通常のワインのpH値の中でも揮発できるものがあるとの研究報告もあります)


マメが酷く出てしまったワインを、ワインだけで楽しむのは(個人差もありますが)、一般的には非常に困難です。


しかし、様々な方法で、マメの発現を多少は抑え込むことができます。

マメが発生したワインを無駄にしたくない時の参考になればと思います。


1. pH値が上がりすぎないようにする

実験したところ、レモン果汁を飲んで口内のpH値を下げた後で、マメの発生したワインを飲むと、マメをほとんど感じなくなりました。この現象を応用すると、酸味の強い料理(ピクルス、ヴィネガードレッシング、酢の物等)とマメの発生したワインを合わせると、非常に高い可能性でマメを封じ込めることができます。

更なる応用としては、マメの発生してしまったボトルに、抜栓したての同じワインを少量混ぜると、マメの発現がかなり抑えられます。


逆に、強い塩分はpH値を上げてしまう可能性があるので、要注意です。


2. 同系統のより強い風味で印象を薄める

主にスパイスと分類される風味は、マメの「印象」を抑え込む(pH値のコントロールとは違い、マメの発現を抑え込むわけではない)ことができます。特に、ニンニク、生姜は、この効力が強いようです。


3. 銅と接触させる

推奨はしませんが、効果はあります。銅イオンは結合力が強く、マメもかなり吸着してくれますが、同時に他の香味成分とも結合するので、少し味が抜けてしまいます。綺麗な十円玉等をワインに少し漬けておくだけです。ただ、銅はガラスよりも硬いので、ワイングラスやデキャンタに10円玉を入れるときは細心の注意を払ってください。


4. 放置する

極稀にマメが鎮静化しますが、確実性は無く、どれくらいの時間が必要かも千差万別です。ほとんどの場合、マメが感じられなくなったとしても、その頃にはワイン自体の変質が相当進んでいます。


5. 可能なボトルを限り動かさない

マメを抑え込むというよりは、悪化させないための手段です。

可能な限りボトルを動かさず揺らさず、注ぐ時も液体に刺激が強くいかないように、ゆっくりと注ぎましょう。


6. 料理酒に使う

飲むことが難しいレベルでマメが発生してしまった場合は、料理酒にしましょう。しかし、マメの特徴が完全に消失するわけではありませんので、赤ワインソースのようにワインの風味が全面的に出るような料理への使用は控えましょう。


7. サングリアにする

pH値とマメの関係性を念頭に、サングリアにする歳は、柑橘類をできるだけ多く使いましょう。強くマメが発生してしまったワインの場合は、サングリアにしてもマメの風味が残ってしまうこともあります。



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