一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのがSommeTimes’ Académieシリーズ。初心者から中級者までを対象としています。前回に引き続き、今回もシャンパーニュ地方について学んでいきます。
シャンパーニュ地方に関する基礎的な情報は、無料のものが十分に存在していますので、本シリーズでは割愛しますが、その代わりにより深いところを探っていきます。
シャンパーニュ地方シリーズの第二回のテーマは、「クロ」と致します。
クロ
シャンパーニュ地方におけるクロ(Clos)は、他産地と同様に、「石垣で囲まれた単一畑」を意味します。
芸術的精度のアッサンブラージュで、その地位を確固たるものとしてきたシャンパーニュにとって、クロ・シャンパーニュは対極的な存在とも言えますが、クロの定義はあくまでも前述した「石垣で〜」の部分のみであり、クロ・シャンパーニュだからといって、単一品種とは限りません。
また、クロでは無い単一畑のシャンパーニュも、数多く存在しています。
わざわざ手間とコストのかかる石垣囲いを行ったのには、相応に理由が存在していると考えることは、決して間違いでは無いでしょう。
ただし、その理由が必ずしも「その葡萄畑が他を圧倒するほど高品質な葡萄ができるから」となるわけでもありません。
所有者の特別な(時に極私的な)想い、代々その畑を引き継いできたレガシー的側面など、様々な「ロマンス要素」がクロとなって現れた可能性も十分にあります。
一歩進んだ学びとしては、「クロ=最高品質とは限らない」を前提としておくのが良いですが、前回解説したトップ・グラン・クリュの中にあるクロは、流石の超高品質ワインとなります。