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SommeTimes’ Académie <41>(ワイン概論37:マデイラ1)

一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのがSommeTimes’ Académieシリーズ。初心者から中級者までを対象としています。今回は、マデイラについて学んでいきます。


醸造の様々な工程に関しては、醸造家ごとに異なる意見が散見されます。本シリーズに関しては、あくまでも「一般論の範疇」とご理解ください。

試験後に忘れてしまった知識に意味はありません。ワインの勉強は、難しい外国語由来の単語との戦いでもあります。そういった単語をただの「記号」として覚えることにも、意味はありません。その単語が「何を意味するのか」を知ってこそ、本来のあるべき学びとなります。SommeTimes Académieでは、ワインプロフェッショナル、ワイン愛好家として「リアル」に必要な情報をしっかりと補足しながら進めていきます。試験に受かることだけが目的ではない方、試験合格後の自己研鑽を望む方に向けた内容となります。



酒精強化ワイン概論 ­– マデイラ1


世界3大酒精強化ワインの一つとして数えられるマデイラですが、実はポートやシェリーなどと比べると圧倒的に生産量は少なく、畑もたったの450ヘクタールほどしかありません。生産者の数も8社とごく僅かです。


酒精強化ワインの中でも、特に暖かい環境で酸化を促しながら熟成させることに特徴のあるのがマデイラワインですが、品種やテロワール、そして熟成の仕方によって様々な特徴が現れます。小さいけれどぜひ注目したい、今回はマデイラワインの基礎を見ていきましょう。



テロワール

ポルトガルの首都であるリスボンから、南西に約970km先に浮かぶのがマデイラ島です。この島はアフリカ大陸のモロッコからだと約650kmの距離があり、ヨーロッパよりもアフリカに近い場所に位置します。一年を通して暖かく、ここでよく目にするフルーツがバナナやパイナップルなどであることを考えると、一般的にぶどうの栽培に向く気候ではないと想像されるかもしれません。奄美大島程度の大きさの小さい島ですが、中央には標高1,800mを超えるルイボ山がそびえ、ぶどうも栽培可能な多様なマイクロクライメイトがあることが、栽培環境の大きな特徴となります。

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