筆者にとって過去2年半は、新型コロナ禍による混乱だけではなく、別のショッキングな出来事が続いていた。
そう、それはクラシック・ワインの消失危機だ。
なるべく話をコンパクトにするために、フランスに限った話にとどめておくが、2018、2019、そして2020年というヴィンテージがリリースされてきたこの2年半、なんとも煮え切らない思いを抱えることになった。
2018年はフランスのほぼ全土で酷暑の年となり、ワインにも異常な性質が立ち現れた。
多くのブルゴーニュ・ルージュは、まるでニューワールド・ピノのような味わいになった。
多くのブルゴーニュ・ブランから、酸が消え去った。