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 「晴れの国」岡山を体現するワイン

「晴れの国、岡山」。晴れの日が多く温暖な気候を生かして、様々な農産物で全国有数の質の高い農業が営まれます。清水白桃やマスカット、ピオーネは栽培面積、品質とも全国一を誇っております。


そんな果物王国の岡山県に、2016年、domaine tettaが新見市哲多町の山間に誕生しました。ここでは、栽培から醸造、熟成、瓶詰めまで一貫して行われます。耕作放棄地になってしまっていた葡萄園に、「美しい葡萄の景色を取り戻したい」と地元新見市ご出身の高橋竜太氏がワイナリーを創業されました。初めは作った葡萄を山梨や長野のワイナリーで委託醸造されていたそうです。2017年にdomaine tettaとしてファーストヴィンテージがリリースされました。

岡山県新見市哲多町は平均気温13.7度、平均降水量1,522mmと日照時間が長く日本の中でもワイン造りに適した場所だと言えます。晴れの国岡山とは言えど、降雨量はしっかりあるので全ての葡萄に雨除けを設置。葡萄畑には斜面の谷から風が常に吹き抜け、その風が病害を防いでいます。何より特筆すべき点は、地質が石灰質土壌である事。ワイン用の葡萄栽培にはやせた土壌が向き、日当りと水はけの良さ、蓄熱性が高い土壌が理想です。石灰質土壌は世界的に見てもわずか7%しかなく、その半数がフランスにあるとされ、シャンパーニュやシャブリなどワインの銘醸地にも似た水捌けの良い土壌だと言う事が出来ます。


新見市内の大半が石灰岩質のカルスト大地に位置しており、古くから地場産業として石灰業が盛んに行われておりました。市内にはおよそ20もの石灰関連の企業があり、街中の至るところに石灰岩や、石灰鉱山を見ることが出来ます。domaine tettaの葡萄畑にも、石灰岩の露出を見ることが出来ます。葡萄栽培にも恩恵を与えている、数億年前に堆積された貴重な大自然の産物はあまりにも壮大で、畏敬の念を抱かずにはいられません。


ワイナリー内は自然の重力で葡萄を移動させるグラビティフローシステムを採用し、発酵は極力自然発酵。ワインは旨味や香りを除去しないように極粗目のフィルターで濾過されます。亜硫酸塩(*1)の添加は無添加か極少量で、ワインの貯蔵には石灰岩の採掘トンネルを天然の貯蔵庫として活用されております。



生産者:domaine tetta / ドメーヌ テッタ

ワイン名:Bonbons Colorés Rosé / ボンボン コロレ ロゼ

葡萄品種:安芸クイーン 75%、マスカット・ベーリーA 16%、シャルドネ他 9%

ワインタイプ:ロゼワイン

生産国:日本

生産地:Okayama / 岡山県

ヴィンテージ:2019

参考小売価格:¥2,300

「ボンボン コロレ ロゼ」は、カラフルなロゼキャンディーという意味で、甘くチャーミングな香りが大変特徴的です。岡山県で多く栽培されている「安芸クイーン」を主に使用し、樽熟成されたマスカットベイリーA、少量のシャルドネを見事にアッサンブラージュ(*1)。巨峰同士の交配から生まれた安芸クイーン由来のラズベリーやザクロの香りはとてもフルーティで、味わいはとてもシャープ。パイナップルやオレンジなどのトロピカルなフレーバーはまるでフルーツバスケットの様です。それは果物王国・晴れの国岡山を体現しているかの様です。


山間部であるゆえ寒暖差のある気候と、地質的にもワイン作りの条件が揃ったdomaine tetta。創業当時、荒れ果てた葡萄畑を再生する中で、土を掘り起こしている時に出てきたシンボルであるパンダはとても大きく、誇らしそうに佇んでいました。




(*1)亜硫酸塩:一般的に酸化防止剤とも呼ばれる添加物


(*2)アッサンブラージュ:フランス語でブレンドを意味する


<ソムリエプロフィール>

藤原 龍 / Ryo Fujihara

アマン東京 ソムリエ


シンガポール「WakuGhin」や「ジャンジョルジュ東京」など、国内外のミシュラン星付き名店を経て、2018年より現職。

ホテル館内のイタリアンレストラン、鮨店、カフェや客室のワインリストを手掛ける。

日本酒にも傾倒し、その深い知見による酒ペアリングは内外からの信望も厚い。


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