1本と向き合って

この春より京都から東京に戻り、深大寺のmarutaではペアリングではなく、1本のワインに向き合いながら、まだ見ぬ変化を個人的に楽しんでいる日々です。


今回紹介するワインは、チェコの新進気鋭の生産者であるミラン・ネステラックがリリースまで大切に熟成をさせるミニマルラベルシリーズのピノ・グリを使用したPodFuckになります。



生産者:Milan Nestarec / ミラン ネステラック

ワイン名:Podfuck / ポドファック

葡萄品種:Pinot Gris . Pinot Noir

ワインタイプ:Rose

生産国:Czech / チェコ

生産地:Molavia / モラヴィア

ヴィンテージ:―

インポーター:CROSS WINES / クロスワインズ

参考小売価格:¥5,400



ミランがピノ・グリに対して大切にしている特徴は、果皮からの芳香や色に加え、豊富なフェノール系の香りで、ネーミングはその香りや色に惑わされた隣人が"ニセモノ"という意味で付けたそうです。


もうご存知の方も多い人気の作り手ですが、ご紹介する2017ヴィンテージもリリースまで3年、カジュアルキュヴェでも1年の熟成を経ています。

そして日本に届くまで2ヶ月、どんなにゆっくりな船に乗せても揺れてしまうので、インポーターであるCROSS WINESのルリさんがゆっくりとワイン達を休ませた上でリリースされます。


毎年飲ませて頂いているワインですが、今年リリースされた2017は更にバランス良く、開けた直後もブランデー漬けにしたサクランボのやさしい甘みと、上品なタンニンに旨みのある酸が心地よく、当時在籍していたLurra゜のみんなと思わず笑顔で顔を見合わせたのを覚えています。


僕がまだGrisに在籍していた6、7年前のペアリングという言葉も馴染みのなかったアラカルトの頃、グラスで提供していたワインが少し残った時にセラーに入れて、どんな変化が起こるのかを楽しみながら定点観測をするのが、密かな楽しみでした。


そして彼のワインに出会ってから、僕の密かな楽しみは毎年の楽しみに変わりました。


ミランのワインの開けたての妖艶な香りを楽しみ、翌週には徐々に増していくダッチパンケーキのメープルシロップの香り、温度を上げて香りの余韻も愉しんで….

こんな風に定点観測したのは久しぶりです。


いつか彼に会えた時には彼の好みや好きな音楽の話がしたい。

また僕の密かな楽しみが増えました。


<ソムリエプロフィール>

外山 博之

Maruta マネージャー


1981年 埼玉生まれ 都内を中心にバーテンダー、サービスマンとして勤務後、 2012年Grisマネージャー就任。ナチュラルからトラディショナルまで幅広いセ レクトのワインを中心にしたペアリングとそのアルコールの構成要素を表現し たノンアルコールペアリングが好評を得る。

2019年よりシェフのJacob kearを中心としたレストランプロジェクトの京都 LURRA°にドリンクディレクターとして加わり、2020年のミシュラン一つ星獲得に貢献。


2021年 3月より調布のMarutaへ戻り、庭のハーブなどを用いたドリンクの開発など、新しいドリンクの提供の形を考案中。