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出会い <66> 聖地のニュースター
Daniel Jaunegg, Sauvignon Blanc “Muri” 2021. 近年の日本における学校教育の実態を聞いて、私は開いた口が塞がらなくなった。 どうやら子供達に、 徹底的に「競争」を避けさせている 学校が数多くあるらしいのだ。 勝者と敗者を同時に生む競争の弊害 に関しては、理解できる部分ももちろんある。しかし、運動会の徒競走で順位を決めないなどは、正直あまりにも極端に思えてならない。 切磋琢磨 、という言葉はもはや死語なのだろうか。 そういう私自身も、旧時代の遺物として揶揄されることになるのかも知れないが、私は 純然たる事実 をここに書き記そう。 今の私は、絶え間ない競争の果てに在る 、と。

梁 世柱
2024年8月25日


レジェンドの息子 <Elias Musterの挑戦>
ワイナリーの継承 というのはとても難しい。 そもそも子供世代が 大変な農作業 を伴うワイナリーを引き継ぎたいとも限らないし、親が造っていたワインの 品質を維持 できるとも限らない。 ワイン造りに 「人」が深く関わってくる 以上、 変化は避け難い ものだ。 さらに、一般消費者だけでなく、ワイン業界に携わる人々も、代替わり後の品質に関しては、 問答無用という厳しさ で接することも多い。 そういう私も、 ポジティヴとは言い切れない世代交代を何度も目にしてきた し、代替わり後にそのワインを全く購入しなくなったことも何度もある。 特に、 親がレジェンド級の造り手であった場合、後継者にかかるプレッシャーは相当なもの だ。 優れた造り手であった両親のもとに生まれた子供を、無条件で 「サラブレッド」 と表現したくなる気持ちはわかるが、 現実はそう甘くない 。 もちろん、この難しさを誰よりも理解しているのは、 造り手本人 だ。

梁 世柱
2024年8月3日


再会 <34> NZで花開く、日本の先進性
Folium Vineyard, Sauvignon Blanc 2020. ¥4,200 正確に数えたわけでは無いが、 日本人ワインメーカー が最も多く活躍している国の一つは、間違いなく ニュージーランド だろう。 私が飲んだことのあるワインだけでも、以下のようななかなか長いリストが出来上がる。 Kusuda Wines Sato Wines Folium Vineyard Kumura Cellars Koyama Wines Osawa Wines Kunoh Wines Green Songs 他にもまだまだあるそうなので、少しずつテイスティングしていきたいものだ。 NZで活躍するワインメーカーの中で、 Sato Winesの佐藤ご夫妻 と、 Folium Vineyardの岡田さん とは、何かとご一緒させていただく機会に恵まれてきた。 佐藤ご夫妻とはセミナーやワイン業界の若者達を集めた懇親会などでご一緒させていただいたし、岡田さんともセミナーをご一緒させていただいたり、岡田さんが参加されている「ワイン解体新書」でもゲストとして呼んでいた

梁 世柱
2023年4月2日


海外でソムリエをするということ
ソムリエという職業を志した時から、また勉強を続け、世界のワイン産地を頻繁に目にするようになるにつれ、いつか日本を出て海外でソムリエとして働いてみたいと思った方は少なくないと思います。 フランスへ行けば、きっと誰しも一度は憧れるブルゴーニュやシャンパーニュがあり、カリフォルニ...

SommeTimes特別寄稿
2021年12月16日


出会い <3> 最高過ぎた「師匠の教え」
Shared Notes, Les leçons des maîtres 2019. ¥11,000 ソーヴィニヨン・ブラン の代表的な産地はどこでしょうか? 真っ先に思い浮かぶのは、 フランス・ロワール渓谷のサンセールとプイィ・フュメ 。 緻密なミネラルと、エッジの効いた酸がスタリッシュな産地です。 次は、 フランス・ボルドー か、 ニュージーランド・マルボロ でしょうか。 ボルドーはセミヨンやミュスカデルとのブレンドが基本で、より甘やかな果実味と、まろやかな酸、そして新樽もしっかり効かせる傾向があります。 マルボロも非常に個性的。パッションフルーツやハーブのアロマが全開で、万人受けしやすい味わいと言えます。 他にはどうでしょうか? イタリアの アルト・アディジェ 、オーストリアの ズートシュタイヤーマルク 、オーストラリアの マーガレット・リヴァー などなど、他にも素晴らしい産地が色々ありますね。この品種に関しては、日本の 長野 もかなり良い線行ってると思います。 あれ?何か重要な産地を忘れているような。 ソーヴィニヨン・ブランの話題になった

梁 世柱
2021年11月27日


葡萄品種から探るペアリング術 <3> ソーヴィニヨン・ブラン
ソーヴィニヨン・ブラン をテーマとします。このシリーズに共通する 重要事項 として、葡萄品種から探った場合、 理論的なバックアップが不完全 となることが多くあります。カジュアルなペアリングの場合は十分な効果を発揮しますが、よりプロフェショナルな状況でこの手法を用いる場合は、ペアリング基礎理論も同時に参照しながら、正確なペアリングを組み上げてください。 ソーヴィニヨン・ブランの特徴 テロワール、栽培、醸造に対して非常に敏感に反応する性質がありますが、ブラインド・テイスティングでも容易に判別できるほど、ソーヴィニヨン・ブラン 特有の個性も強い品種 です。世界各国で栽培されている人気の高い国際品種ですが、そのスタイルは意外とシンプルにまとめることができます。一つは単一品種で造り、樽の影響を効かせない ロワール型 、もう一つは他品種(最も一般的なブレンド相手はセミヨン)とブレンドし、新樽もしっかりと効かせる ボルドー型 (グラーヴ型とも)です。 ペアリングにおいては、ロワール型はソーヴィニヨン・ブラン特有のカヴァー範囲の広さと、特殊な対応力を発揮する一方

梁 世柱
2021年10月17日


善し悪しは紙一重?葡萄→ワイン「不思議なチオールの香り」
このご時世、家で読書をする機会が増えた方も多いだろう。最近読んで感銘を受けた本を一冊、ワインとともに紹介したい思う。 かれこれ10年くらい前だろうか、勉強の為に古本屋でワイン本を片っ端から漁っていた頃に一度手に取った本があった。いつものようにパラパラとページをめくり流し読む...

SommeTimes特別寄稿
2021年6月1日


偉大な畑の継承者たち
ワインテイスティングの仕方には様々な方法があることは、ご存知の読者の方々もいらっしゃると思います。 最もよく見聞きする方法は、ソムリエ試験や各コンクールなどでも採用されているブラインドテイスティングといって、グラスに注がれたワインを一切の事前情報なしに、外観・香り・味わいな...

SommeTimes特別寄稿
2021年4月27日


躍動するロワールの注目株
星付き有名シェフの下で働く若い料理人が才能を見込まれ、みっちり修業した後に自分のレストランをオープン。 その新店、試してみたくなりますよね。 しかし、有名店で働いていたと言っても実は単に下働きしてただけだったり、師匠のコピー料理だったりで、残念ながら期待外れということもしば...

SommeTimes特別寄稿
2021年3月6日
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