「テロワール」が実際にワインに対してどのような影響を及ぼすのかを検証していくシリーズの第三弾となる。
このような検証を行う際に最も気をつけるべきなのは、ワインという飲み物は様々な要因が極めて複雑に関係性を築きながら最終的な形へと繋がっていくという、紛れもない事実である。
つまり、ただ一つの要因だけを抜き出して、「結果」と結びつけてしまった場合、往々にして不正解となるということだ。
第三回となる本稿では、ワインのアルコール濃度とテロワールの関係性を探っていく。
ワインに含まれるアルコールは、葡萄果汁中の糖分が分解されることによって生じる。
そしてその原料となる糖分を生み出しているのは、植物の「光合成」という働きである。
光合成は非常に複雑なメカニズムでもあるため、本稿ではなるべく簡略化して話を進めていくが、どうしても例外となるケースが生じることはご理解いただきたい。