レストランでワイン(お酒)を楽しむことが許されない。 耳を疑う発表から数ヶ月。なお、先の見えない状況が続いていますね。 リアルイベントで皆様の笑顔にお逢いできない日々の中、あらためて「外食すること」の尊さを知ることになりました。 作りたての料理、カトラリー、器、照明、サーヴィス、そして寄り添うワインによって創られる「非日常」に私たちは、癒されていたのだと。 【Marieのファーストチョイス】 そんな中、日本に届けられたアロマティックな白ワインをご紹介いたしましょう。 前回のコラムでもご紹介した、東欧で5000年の歴史を持つワインカントリー「モルドバ」の固有品種「ヴィオリカ種」です。 ヴィオリカ種は1969年に誕生したセイベル種とアレアティコの交配種。ヴィオリカはモルドバの女性に多い名前です。
グラスに注ぐと、ジャスミンやバラなどのフローラルで華やかな芳香と、マスカットや白桃の甘い香りが溢れます。味わいはドライで、フレッシュな酸と果実味のバランスが秀逸。
ワインの香りは、ブドウそのものの香りを第1アロマ、発酵や醸造に由来した香りを第2アロマ、熟成に由来する香りは第3アロマやブーケと呼ばれています。
ワインの癒し効果には、①アルコール飲料であること ②色調 ③香り などがありますが、自然由来の豊かな香りの刺激には、誰しもうっとりした表情になりますね。
【スイーツとの相性】
アロマティック品種は、他にもゲヴュルツトラミネール、ヴィオニエ、マスカットなどがありますが、今回はこれからの季節にぴったりな軽やかなスイーツと合わせてみました。
「ヨーグルトと白桃、ピスタチオのセミフレッド」
コース料理の最後に甘口ワインを勧められることがあると思いますが、フルーティで優しい食感のデザートにはアロマティックな白ワインという選択肢も。
ヨーグルトの酸味と白桃の果実味が「ヴィオリカ」の甘い香りと溶け合い、この日もまた最上の笑顔を頂戴しました。
既成概念にとらわれず、ペアリング研究を進めて行くことが新たな発見に繋がると信じて。次回、皆様とお会いできる日を心待ちにしております。
生産者 : Chateau Purcari / シャトープルカリ ワイン名 : Viorica / ヴィオリカ 葡萄品種 : Viorica / ヴィオリカ ワインタイプ : 白ワイン 生産国 : Moldova / モルドバ 生産地 : シュテファンヴォーダ
ヴィンテージ : 2020 インポーター : ユウ・コーポレーション 参考小売価格 : ¥3,500
【モルドバのブドウ品種】 白ワイン品種 65% 赤ワイン品種 35% 国際品種 73%、コーカサス品種 17%、土着品種 10%
【Chateau Purcari】
シャトープルカリは、1827年に設立された国営ワイナリー。1978年のパリ万博博覧会では、初の金メダルを獲得。英国ヴィクトリア女王が愛したと言われ、19世紀には英国王室に献上されていました。近年では、ルーマニア王室にも公式に認められ、献上しています。1991年に、モルドバ共和国として旧ソ連から独立するまで、そのワインはベールに包まれていました。
ワイナリーには宿泊も可能で、歴史を感じながらテイスティングを堪能できます。
<プロフィール>
秋山 まりえ / Marie Akiyama ステラマリー株式会社 / Stella Marie Co., Ltd. 代表取締役 ステラマリー☆ワイン会主宰 東京都出身の江戸っ子。 総合商社を退職後、2006年に出逢ったモルドバワインが転機となり資格を取得。 J.S.A. ソムリエ、WSET® Advanced Certificate 2011年8月より4年間、ワインバーにてソムリエールとして経験を積む。 2015年7月 ステラマリー株式会社 設立。代表取締役CEOに就任。 2015年9月 第1回ステラマリー☆ワイン会を開催。(次回186回目)
2019年7月 「ワイナートWinart」にて、日本人女性として初のフランス版ミシュランガイド一つ星を獲得した神崎千帆シェフ(Virtus・パリ12区)とのパリでの対談が連載される。
2020年1月 「日刊ゲンダイ」にて、日本人初のフランス版ミシュランガイド三つ星を獲得した小林圭シェフ(Restaurant KEI・パリ1区)のレストラン書評が掲載される。
・ワインイベントプロデュース
ステラマリー☆ワイン会 (メーカーズディナー、ワインと料理のマリエージュ会、ウェビナー) 年間約30回開催(会員制)
・レストランコンサルティング (ワインリストの提案)
・ワインギフトのセレクション
☆ステラマリーは、ワインが繋ぐ一期一会を大切にしております。
Commentaires