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ワインの王、王のワイン <ピエモンテ・ネッビオーロ特集:第二章>
過日、とあるワイン初心者の方から質問を受けた。ピエモンテ州の同じ造り手で、DOCGのワイン(Dogliani)よりも、DOCのワイン(Langhe Nebbiolo)の方が高いのは何故か、と。DOCGは最高位格付けでは無いのか、と。 まさに 雨後の筍 。次々と認定され続けるイタリアの最高位格付けたるDOCGは、 既に意味消失して久しい 。それは、ピエモンテ州に限ったとしても同様だ。Barbera d’Asti、Dolcetto di Dogliani Superiore、Erbaluce di Caluso、Ruche di Castagnole MonferratoといったDOCGは確かにどれも注目に値する素晴らしいワインだが、最高位格付けにふさわしい「 品格 」は無い。いや、品格の話をするのなら、最高位に座せるのはピエモンテ州では ネッビオーロしかそもそもあり得ない 。そして、その頂点は当然、 BaroloとBarbaresco だ。 本章では、ピエモンテ州の真に頂点たる2つのDOCGの中から、 Barolo に焦点を当てて、細かく追っていく

梁 世柱
2021年11月28日


栄光は霧の中 <ピエモンテ・ネッビオーロ特集:序章>
目に飛び込んでくる世界が紅葉色に染まり、冬の足音が聞こえてくる頃になると、私はいつもピエモンテに想いを馳せる、そしてネッビオーロが恋しくなる。かすかにオレンジがかった魅惑的なワインのエッジがそうさせるのか、枯葉を思わせる滋味深いアロマがそうさせるのか。でも、その想いはいつも、もどかしさや、やりきれなさによって、少し苦い味になる。 偉大なバローロやバルバレスコが、なぜブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュに比べて、こんなにも過小評価されているのかと。 世界最高の黒葡萄の一つであるはずのネッビオーロが、なぜピノ・ノワールと並び称されていないのかと。 イタリアという国の長い歴史を振り返ってみると、いつの時代も、 肝心な時に一枚岩になり切れなかったことが、イタリアを真の栄光から遠ざけてきた ことがわかる。 そしてそれは、ピエモンテにおいても同じだ。 永劫に続くかのような分断と闘争の果てに、ピエモンテは、ネッビオーロは、いったいどこへ向かっているのだろうか。 今一度、確かめてみたい気持ちになった。 本章から全4章に渡って、ピエモンテ州のネッビオーロを特集す

梁 世柱
2021年11月10日
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