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ラタトゥイユとクラシックペアリング
フランス料理と聞くと、だいたいの人は少し身構える。 芸術作品よろしく盛り付けられた美しい皿。 複雑だということだけはよくわかる料理説明。 そして、食べ終わったあとも解決されない謎の香り。 だが、ラタトゥイユはその反対側にいる。 南フランス、なかでもニースとプロヴァンスを代表する料理の一つで、トマト、なす、ズッキーニ、パプリカ、玉ねぎ、にんにくといった夏野菜を、オリーブオイルとハーブで煮込む。 材料だけを見れば、驚くほど素朴だ。 高級な肉もなければ、フォアグラもない。トリュフを削る必要もない。 夏の畑で元気になりすぎた野菜たちを集めて、鍋の中でなんとか話し合いをつけてもらう。 それが、ラタトゥイユである。

梁 世柱
8月14日


A Place for Rosé (期間限定特別無料公開)
「日本では、ロゼワインが定着しない。」 「今年こそは、ロゼワインブームがくる。」 もう何年、この言葉を聞いてきただろう。 春になると、ワイン業界は思い出したようにロゼを売り始める。 桜が咲き始める。 そうだ、ロゼはピンク色だ。 よし、合わせよう。 発想としては、小学校低学年の色合わせと大差ない。 売り場には桜の写真が並び、SNSでは花見の風景にロゼのボトルが紛れ込む。 「桜色のワインで乾杯を」と一斉にプロモーションが展開される。 そして桜が散る。 ロゼも消える。 桜の開花から散るまで、せいぜい数週間。 その短い期間へロゼの需要を押し込み、自分たちの手で「期間限定商品」に仕立て上げたあと、 「日本ではロゼがなかなか定着しませんね」などと言っている。 これでは、そもそも定着させる気があるのか疑いたくなる。 もちろん、花見でロゼを飲むこと自体には何の問題もない。 満開に咲いた桜の樹の下で、良く冷えたロゼを開ければ、色彩的にも気分的にもよく似合う。 ただ、それを主な販売理由にした瞬間から、いろいろとおかしくなる。 国、産地、品種、テロワール、歴史、造り手

梁 世柱
8月12日


ロゼワイン世界一周 <1> フランス編:Part.1
長い間ワインプロフェッショナルとして活動してきたが、いまだに日本において叶うことが遠いと感じている夢がある。 ロゼワインの浸透だ。 日本は世界で最も成熟した市場の一つであることは間違いないのだが、ロゼワインという一点においては、明らかに後進国である。 本企画では、その現状を憂い、改めてロゼワインの偉大な魅力を、世界一周という形式で紹介していこう。 全てを網羅するのは難しいが、メジャーなロゼから、ある程度マイナーなロゼまで、幅広いヴァリエーションでお届けしていく。 第1回は、フランス編Part.1となる。 フランスは世界でも最大級のロゼ生産大国であり、その総生産量は全世界の30%強にも及ぶとされている。 特に南仏エリアを中心に、世界的に名高いロゼが造られているが、各地方で異なる品種、スタイルから極めて多様性に富んだロゼワインがフランス全土で生産されている。

梁 世柱
2025年9月28日


ロゼ界のライジングスター、ロザリア。
ロゼワインの歴史はかなり興味深い。 その原初の姿は、我々が知る現代のロゼワインとは似ても似つかぬものだったからだ。 最古の記録は3,000年以上前の古代ギリシャ。当時、「ワインは水で薄めて飲む」ことが上品とされていた。 白葡萄と黒葡萄を混醸して造った非常に薄い赤ワインのようなものを、さらに水で割ることによって、ロゼワインらしきものとなっていたのだ。後に、赤ワインと白ワインらしきもの(現代のオレンジワインに近かった可能性が高い)に分けられるようにはなったが、数百年、いや、ひょっとすると数千年ほど、水で薄めたワインを飲んできた文化圏で、タニックな赤ワインや白ワインが市民権を得るには随分と時間がかかったようだ。

梁 世柱
2024年7月10日


「ヴァン・グリ」って何でしょうか!?
直訳すれば「灰色ワイン」。 今日は淡いロゼのような色合いの「Vin Gris(ヴァン・グリ)」というカテゴリーのブルゴーニュワインをご紹介します。 「ヴァン・グリ」はフランスでは昔から造られているワインですが、近年あまり見かけなくなり、日本へ輸入しているインポーターさんも少...

SommeTimes特別寄稿
2021年10月14日
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