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パーカーとボルドー <ボルドー特集:後編>
人は変われないのか。私はその問いに対する答えをもたぬまま、本稿の執筆と向き合い始めた。失敗は恥ではない。愚かさも、未熟さも恥ではない。私はずっとそう思ってきた。だが、繰り返すことは確かな恥だとも、知っていたはずだ。だから、もうこれ以上繰り返さないために、常識も、一般論も、過去の自分ですらも徹底的に疑ってみようと思う。その果ての答えが、どこに行き着くのかは分からなくても、私が変われる保証などどこにも無いとしても、自らに、そして偉大なるボルドーに、問いかけてみよう。 本当にボルドーは、ロバート・パーカーに、誇りを、魂を捧げ続けてきたのだろうか 、と。 ロバート・M・パーカー・Jr. 1975年からワイン評論活動を本格的にスタートさせた ロバート・M・パーカー・Jr.( 以降、パーカーと表記 )は、ワイナリーやワイン商と蜜月の関係にあったジャーナリズム(そう呼ぶにはあまりにも腐敗していたが)に異議を唱え、圧力に屈さず、何者にも影響されず、ただひたすら自らの絶対的な価値観を、断固として突き通していた。まさに 異端児 と呼ぶべき存在であったはずのパーカーだ

梁 世柱
2021年10月26日


Bordeaux in Green <ボルドー特集:前編>
正直に言おう。私の心は長らくの間、ボルドーから離れていた。かつて夢中になっていたことを、どこか小っ恥ずかしく感じて、少し酸っぱい想い出に蓋をするようなところもあったとは思うが、単純に、私の心に響くボルドーになかなか出会わなくなっていたのもまた事実だ。思えば、近代のボルドーにとって、莫大な設備投資は品質向上とイコールであるかのような報道が、絶え間なく続いてきた。その金満的で工業的な進化は、ワインに自然への賛美を求める私のようなトラディショナリストにとって、決して魅力的なものではなかった。もちろん、全てのボルドーがそうでは無いことは重々承知していたが、それでも、私の酷く個人的で感情的な嫌悪感を拭い去るには至ってこなかった。はっきりと言おう。私はもうとっくの昔に、ボルドーのファンではなくなっていたのだ。そんな私が、なぜ今更ボルドーに向き合うことになったのか。かの地に対して10年以上失っていた興味が、なぜ戻ってきたのか。それは、 ボルドーが変わった からだ。驚くほど 劇的に、そして急速に。今ボルドーは、世界最高の銘醸地として、世界のワインシーンを力強く牽

梁 世柱
2021年10月10日


2年連続パーカー100点!! を飲み比べて
表題の通り、最近2年連続パーカー100点のワインを飲み比べてみました。 パーカーさんことロバート・パーカーJr.氏については、その採点方法、採点基準等、いろいろ皆様も思うところはあるかと存じます。 また、このコラムでは彼の説明は省きますが、ロバート・パーカー氏は記事の公平性...

SommeTimes特別寄稿
2021年7月16日


サン=テミリオンの衝撃
2021年7月上旬、世界中の熱心なワインファンに衝撃を与えるニュースが、フランス・ボルドー右岸の銘醸地であるサン=テミリオンから舞い込んできた。

梁 世柱
2021年7月13日


時が彩るワインと人の一期一会
“一期一会“
よく耳にする言葉です。これは戦国時代から安土桃山時代にかけて茶の世界で活躍した、千利休の言葉だそうです。ときに人生を変えてしまうような"人"、はたまた、"何か"に出会ったときに改めて意識する言葉かも知れません。

SommeTimes特別寄稿
2020年12月22日
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