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赤の地図 <オーストリア・ブルゲンラント特集:後編>
白ワインの国として語られるオーストリアに、赤ワインの側から異議を申し立てる。 そう書くと、いかにも挑発的に聞こえるかもしれない。 しかし本来、これは奇をてらった反論ではない。 ただ、見落とされてきたものを、見落とされたままにしておかないという、ごく当然の抵抗である。 ワインにおいて地名は、決してラベルの上に置かれた装飾ではない。 そこには、目には見えない風の回廊があり、日光が紡いだ金糸があり、丘陵のうねりが刻むリズムがあり、大地の熱狂と沈黙があり、そして何世代にもわたってそこで暮らし、葡萄を育て、ワインを造ってきた人々の記憶がある。 だからこそ、地名は重い。 問題は、その重さを丁寧に読み解こうとしないまま、都合の良い記号として乱暴に使う態度にある。 有名な地名には、説明を省略してもらう。 聞き慣れない地名には、理解を後回しにする。 それでいて、自分の舌は十分に公平だと信じていられるのだから、ワインの世界における教養とは、ときにずいぶん寛大な衣装である。 だが、土地は人間の怠慢を上品に包み直してはくれない。 葡萄は名声の序列に従って熟すわけではなく
梁 世柱
4月27日
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