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出会い <110> 牧歌的なマイナー産地ワイン
Keltis, Sivi Pinot 2020. シーンの最先端に立っているワインバーへ行き、ソムリエにセレクトを委ね、近い経験値で語れる仲間たちと飲む。 発見と検証が、同じ瞬間に高い密度で揃うのだから、これほど効率の良い学びはなかなか無い。 定期的にどこかで集まる海外の仲間たちとの時間には、非日常的な充実があるものだ。 今回紹介するワインは、ウィーンでの「そういう場」に現れた一本。 スロヴェニアのKeltisが造るSivi Pinotである。 オレンジワインという言葉が、ずいぶん気軽に使われるようになって、かなり時が経った。 白葡萄を醸造する際に、マセレーションと初期発酵を同時進行させる。 製法的にはオレンジワインの核心的要素だが、世間はむしろ、オレンジ色をしたワインという誤解の方ばかりを気にしている。 もちろん、入口としてはそれでもいいのだが、扉の向こう側で見た世界を素直に受け入れないと、迷い人のまま成長しない。

梁 世柱
8月15日


2つの国、1つの文化 <Gorizia特集:前編>
イタリアのフリウリ・ヴェネツィア=ジュリア州とスロヴェニア領内に跨る街、ゴリツィア(*)は、いつか必ず訪れようと思っていた場所だった。 (*):スロヴェニア語ではGoricaゴリツァ。以降、両領土を合わせてGoriziaと表記。 もちろん、Gorizia周辺で造られる極上ワインの数々に心惹かれて、という理由もあるが、私にとってのGoriziaは、自身のルーツとも重なる部分が多い場所なのだ。 少し、私のファミリーヒストリーを語ろう。 私自身は日本で生まれ育ったため、アイデンティティの比重はかなり日本人よりだが、私の祖国は朝鮮(一つのKorea)である。 そしてその祖国は、米ソ冷戦に巻き込まれる形で、南の大韓民国と、北の朝鮮民主主義人民共和国へと分断された。 ここから先は、私の祖父母(母方)の話となる。 祖父母は、ソウルで出会い結婚した。 1942年、祖父は日本軍からの徴用令状を受け、広島への赴任を命じられたが、邑長(日本で言うところの町長)が手を回してくれたおかげで、幸運にもそれを回避することができた。その代わりに2

梁 世柱
2024年4月18日
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