ブラインドテイスティング <1> 確信と偶然の狭間で
18 時間前
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テーブルの上に、同じ形のグラスが六脚並んでいる。
普段使っているグラスよりも、ずいぶん小ぶりだ。
ワインボトルは、まるで今から強盗にでも入るかのような黒いマスクで覆われ、番号だけで識別できるようになっている。
準備が整うと、さっきまで冗舌だった人たちに、沈黙が走る。
「では」と妙に低い声色で合図がかかる。
誰かがグラスを傾け、誰かが白い紙の上で色を見る。
なにかの試験会場にも似た、居心地の悪い緊張感だ。
色調を舐めるように観察した後、香りを嗅いで、早くも困った。
何か知っている匂いがする。
果物のようではある。でも、その果物の名前が喉の奥で引っかかって出てこない。
まごついているうちに、隣の人の口からは、するすると果物、花、スパイス、ハーブの名が湧き出てくる。
あの人の鼻には、私の鼻よりたくさんの語彙が入っているらしい。

