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現地で飲むワインは本当に美味しいのか

「現地で飲むワインは美味しい。」


SommeTimesではさまざまな角度から度々この現象の真偽に迫ってきたが、今回はまた別の、「保存環境」という視点から見ていこうと思う。


というのも、筆者はこの3ヶ月間で北ギリシャ、南アフリカと立て続けに現地訪問を行ったが、現地の方が美味しいという感覚を一切覚えなかったからだ。


むしろ、同じワインであれば、日本の方が美味しいと感じたことも多々あった。


これまでの検証(記事1記事2)では、どちらかというと微生物学的要素に対する仮説や、ワインを飲む環境に主眼をおいて検証を行ってきた。確かにそれらの要素は、ワインの味わいに十分なレベルの影響を及ぼし得るが、今回検証する「保存環境」というのは、もっと根源的なものであり、より初心者向けの内容ともなる。


この保存環境において、特に大きな影響を及ぼす要素は3つ。


温度、直射日光、湿度である。


最後の湿度に関しては、そこまで極端な環境というのはそうそう無い(そもそも、人が快適に過ごせる湿度帯は限られている。)上に、かなりの長期保存をしない限りは、その影響も小さい。理想は75%前後とされ、それ以上高いとカビの原因になり、それよりも低いとコルクの乾燥が加速する。


問題は前者二つだ。

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