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SommeTimes’ Académie <46>(フランス・シャンパーニュ地方:クリュ)

一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのがSommeTimes’ Académieシリーズ。初心者から中級者までを対象としています。今回からはシャンパーニュ地方について学んでいきます。


シャンパーニュ地方に関する基礎的な情報は、無料のものが十分に存在していますので、本シリーズでは割愛しますが、その代わりにより深いところを探っていきます。


シャンパーニュ地方シリーズの第一回のテーマは、「クリュ」と致します。



エシェル・デ・クリュ

ブルゴーニュやボルドーと同様に、シャンパーニュ地方にも「格付け」が存在しています。


というのは、半分正解で半分不正解です。


シャンパーニュ地方の格付けである「エシェル・デ・クリュ」は、1919年に初めて導入され、当時は12村がグラン・クリュに制定されました。その後、1985年に一度改定され、グラン・クリュは17村となっています。


エシェル・デ・クリュの本来の機能と目的は、ブドウの買い付け価格を固定することでした。


グラン・クリュの葡萄を100%の買い付け価格として、プルミエ・クリュは90-99%、オートル・クリュは80-89%といったように、各村に振り当てられたパーセンテージに比例して価格が下がるようになっていました。葡萄の出来不出来に関わらず、価格を一律で決定するこのシステムは、自由競争を著しく阻害するものとして1990年に固定価格制度が廃止、代わりに導入された指標価格制度も2001年に廃止され、エシェル・デ・クリュという制度そのものも2004年に完全廃止されました。しかし、現実的には現在でも品質判断の基準としては機能しているため、定期的な見直しがされています。

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