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真・日本酒評論 <4> ヴィジョンと結果

<花の香:純米大吟醸 桜花>


先日公開した「而今」に関する記事にて、「地元の米を使った酒は全ての要素がより一体感を増す」という仮説について述べたが、この仮説の検証対象となる日本酒を試す機会があったため、「真・日本酒評論」にてレヴューすることとする。


1902年、神田角次・茂作の親子によって創業された神田酒造は、熊本県和水町地方にて、地域に密着した酒蔵として成長し、1952年には、蔵の周辺に自生する梅の木から、春になると蔵に梅の香りが満ちることから、現在の「花の香酒造」へと名を改めた。


2011年、6代目蔵元の神田清隆さんの代になり、世界へ羽ばたく「Sake」を目指し、継続的な改革に取り組んできた。


2015年頃からは、地元米への全面的な転換がスタート。


産まれた土地、土地の神々を意味する古語「産土(うぶさな)」をヴィジョンとして掲げ、和水町のテロワール(ミクロ気候、知識、水質)と、この地特有の微生物群ネットワークが酒にもたらす個性を、醸し手として「導く」ことに重きを置く。


筆者の唱える仮説と同じ想いがあるのだろうか、ラベルの脇には「唯一無二の独自の個性を目指し、古代より水稲文化が二千年続くこの和水町で、土地にこだわり、仕込み水と同水域の水田で育てた米だけで酒を醸しています。」と綴られている。

記事の続きは…

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