ペアリングの基礎理論に関しては、一連の「ペアリングの基本」シリーズで説明してきましたが、実践になると、理論をどのように順序立てて組み合わせて使っていくかが鍵となります。
なお、あらゆる基礎理論を精密に組み合わせられるようになれば立派な上級者ですが、最終的に「主観」に落ちてしまうのがペアリングの本質でもありますので、徹底的に理論武装したからといって、常に最適なペアリングになるとは思い込まないほうが良いでしょう。
実は、ペアリング基礎理論には、明確な「優先順位」があります。
これは、ペアリング理論に基づいた複数の効果が確認できる際に、より優先度、もしくは支配度の高い項目が存在するということです。
この優先順位を理解していないと、どれだけ基礎理論を単体の項目ごとにマスターしていても、完成度の高いペアリングにはあまりなりません。
では、優先順位の高い順から説明していきましょう。
また、スムーズな解説の流れになるように、各項目の詳細は記載しません。
「ペアリングの基本」シリーズの中から、該当する詳細を学んでください。
優先順位No.1:酸味
ワインの酸味が関連したペアリングは大きく分けて3種類あります。
・塩分、油分、脂肪分、軽度のスパイスに対するカット効果。
・料理(食材)の酸味に対する、調和効果。
・料理(食材)のシンプルな味わいに対する、ハイライト効果。
この中で、優先順位が関係してくるのは、カット効果と調和効果です。
この二つの項目は、あらゆる基礎理論の中でも、最優先で考慮すべきものとなります。
ハイライト効果に関しては、オプション的手法と捉えて問題ありません。
優先順位No.2:甘味
ワインの甘味が関連したペアリングは大きく分けて3種類あります。
・料理(食材)の甘味に対する、調和効果。
・強いスパイス、酸味、苦味に対する中和効果。
・強い塩分に対する、対比効果。
この中で、問答無用で優先順位が高くなるのは、調和効果です。
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