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Advanced Académie <28> 醸造による軽やかさの演出

近年の世界的なワインスタイルの変化において、特に影響が大きいのは、気候変動と嗜好の変化だろう。


気候変動はもちろん、具体的には温暖化のことを基本的に意味している。(場所によっては、温暖化よりも気候の激化の方が問題となっているが。)


温かくなると、糖度の上がるスピードが上昇し、一定のポイントを超えてしまうと、酸やフェノール類とのバランスが壊れてしまう。


さらに、2010年代以降、明らかに世界的な食のライトが進んだため、ワインにもより軽快さが求められるようになった。この傾向は、温暖化が葡萄に及ぼす影響とは真逆の方向であったため、まず最初に多く採用された対策は、大幅な早摘みだった。


しかし、温暖化によって糖度上昇が早まる中で無理な早摘みを行うと、(酸は十分に確保できるが)フェノール類が熟していないため、著しくミッドパレットに欠けた味わいになりがちであっただけでなく、多くのワイン(主に赤ワイン)から長期熟成能力も奪う結果となってしまった。

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