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ワインリストからワインを選ぼう

レストランに行っても、なかなかワインリストから上手にワインが選べない。

そんな悩みを抱えていませんか?


もしお店に「気の利いた」ソムリエが居るなら、ソムリエに聞くのがベストです。

その際のポイントは、

1. 予算を伝える

2. 抽象的でも大丈夫なので、好みを伝える

の2点です。


1は必須、そして2を恐れる必要はありません。


専門家とは本来、人助けのために存在しているものです。

ドクターに相談するつもりで遠慮なく聞いてみて下さい。


しかしお店に必ずソムリエがいるとは限りません。


そんな時にどうやってワインを選べば良いのか。

ワイン選びの重要ポイントをご紹介いたします。


まず、ワインを選ぶ時に

1. 名前重視

2. 中身重視

かで変わります。


名前重視の場合は、それを選べば良いだけですので、知ってる名前を見かければ、そのワインをオーダーしましょう。


中身重視の場合ですが、

ワインの値付けのカラクリを知ると、成功率が格段に上がります。


重要なポイントとしてまず挙げられるのは、

生産国の平均賃金と物価と生産量

です。


ワイン生産とは、非常にコストがかかるものですので、人件費と物価が安く、生産量が多ければコストが劇的に下がります。


では、以下に主要生産国生産地域からコスパ優秀部門を三ツ星評価で紹介致しましょう。


【三ツ星】

チリ全域

アルゼンチン全域

ポルトガル全域

スペイン全域


【二つ星】

イタリア(バローロ、バルバレスコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを除く)

ドイツ全域

フランス(ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ボルドーの上位格付シャトーを除く)

ギリシャ全域

南アフリカ全域

オーストリア全域

カナダ全域

ジョージア全域


【一つ星】

フランス(シャンパーニュ、コート・ドール以外のブルゴーニュ)

イタリア(バローロ、バルバレスコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ)

オーストラリア

ニュージーランド

アメリカ合衆国(カリフォルニアの一部銘柄を除く)

中国



【圏外】

フランス(ブルゴーニュのコート・ドール)

フランス(ボルドーの上位格付シャトー)

アメリカ(カリフォルニアの一部銘柄)

スイス

日本


コスパ・ランキングを少し気にしながらワイン選びをすると成功率が上昇します。



もう一つの側面は、

需要と供給」の関係です。


ワインの価格を決める要素として、

生産国や生産地域の平均賃金、物価、生産量というお話をいたしましたが、

ワインという飲み物は非常に市場原理に影響を受けやすいものですので、

需要が供給を上回ると、価格がどんどん上昇していきます。


その最たる例は、フランス・ブルゴーニュのコート・ドールです。

名高い特級畑の数々や、村や畑、生産者のスタイルによって、様々な表情を見せ、またそれらが緻密に体系化されていることもあり、マニア心をこれ以上なくくすぐるワインです。


しかし残念なことにブルゴーニュの生産量は(特に生産者単位で区切ると)けっして多くありません。

中国を始めとするアジア圏の新興ワイン消費国からの需要拡大に、立て続けの不作も相まり、今では村名でも1万円を超える価格となってしまいました。


一方、同じフランスの銘醸地としては、ボルドーやシャンパーニュが有名ですが、共に一生産者あたりの生産量が多いため、一部銘柄を除いて極端な値上りはしていません。

(ボルドーに関しては、有力な評論家の引退もあり、上昇傾向は落ちつくと思われます。)


さらに別の視点から見てみましょう。

アメリカ合衆国の例をあげます。

平均賃金、物価共に高い国です。


最も人気のカリフォルニア州の中でも、需要が集中するのはナパ・ヴァレー

ワインは高値でも売れるため、地価もどんでもない金額になりましたから、ワインは平均して高価です。

同じカリフォルニアの中でも、ソノマのエリアは少し価格が控えめ。そして、よりマイナーなエリアはかなりお買い得ワイン出てきます。


オレゴン、ワシントン、ニューヨークといったアメリカのその他の産地も、需要はナパ・ヴァレーに遠く及びませんので、価格は控えめです。


最後にまとめますと、

もしワインリストにナパ・ヴァレーのカベルネと、ワシントンのカベルネがほぼ同じ価格でオンリストされていた場合、

高い可能性でワシントンの方が高品質、ということです。


銘醸産地になるには、品質は当然必須。

信頼のブランドですから、対価も高くなります。

しかし、マイナー産地の面白さを、冒険気分でリーズナブルに体験するのもまた、ワインの素敵な楽しみかたです。



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