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酢豚とのピーキーなペアリング
日本で親しまれている中華メニューの中でも代表格の一つである、 酢豚 。 その起源はかなり古い。 中国料理には、古くから酸を用いた調理法が広く存在していたと考えられており、 唐の時代(7~10世紀)頃 には、すでに酸っぱい味付けの肉料理が文献に記録されている。 インドから伝えられた 砂糖製造技術 が広く普及し始めた 明の時代(14世紀〜) には、砂糖と酢を混ぜた 「甘酢」 を用いた料理も一般化した。 そして、現代風酢豚の原型とも言える料理は、 清の時代末期(19世紀末頃) に 広州 で誕生した、 グーロウロウ だとされている。

梁 世柱
2 日前


出会い <93> またまた出会った、最高のイタリアマイナー品種
Vignamato, Lacrima di Morro d’Alba 2022. 完全な専門分野として特化でもしない限り、イタリアのマイナーの地品種ワインは、とてもとても追いきれるものではない。 ブレンドまで含めると、そのヴァリエーションはまさに無数であり、そしてその事実は、我々を永遠に楽しませてくれるものでもある。 ネッビオーロ、サンジョヴェーゼ、アリアニコ、ネレッロ・マスカレーゼといった高名な葡萄への敬愛はなかなか捨てきれないので、ついついそういったワインに手を伸ばしがちだが、そこに「安心」はあっても、「驚き」はよっぽどのワインでも無い限り、そうそう訪れてはくれない。

梁 世柱
11月10日


Wine Memo <36>
Astobiza, Arabako Txakolina “Pil Pil” 2024. ¥3,200

梁 世柱
11月9日


SommeTimes’ Académie <114>(イタリア・ピエモンテ州: Part.7)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・ピエモンテ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つである ピエモンテ州 は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第7回では、ピエモンテ州で最も古くから名を馳せた白ワインの産地、 Gavi について学んでいきます。

梁 世柱
11月6日


椎茸と定番品種のベストペアリング
秋が深まり、冬の足音も目の前まで迫っている中、季節感たっぷりの食材として、きのこ類を食すことも増えてきた。 現代では、菌床栽培が普及したことによって、大体のきのこは通年味わうことができるのだが、やはり 「旬は旬」 だと思う。 今回は、旬を迎えている 椎茸 を題材にしていこう。 椎茸に旬?と思う人も多いとは思うが、椎茸にもちゃんと旬が存在している。

梁 世柱
11月2日


SommeTimes’ Académie <113>(イタリア・ピエモンテ州: Part.6)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・ピエモンテ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つである ピエモンテ州 は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第6回では、赤ワイン白ワイン共に優れたワインを産出するRoeroに関して学んで行きます。

梁 世柱
10月31日


出会い <92> 中国ワインの巨星
Dan Sheng Di, Célèbre Red 2018. もう、6~7年前だろうか。私が初めて最高峰の 中国ワイン をテイスティングしたとき、少なからずショックを受けた。 今ではすっかり日本国内でも知名度が上がった Ao Yun は、日本で造られる同形品種のワインが(品質的に)到達することが極めて難しい領域にすでにいると、認めざるを得なかった。 もちろん、 品質だけがワインの全てではない。 その国、その産地だからこそ成し得た個性には、素晴らしい価値が宿る。 ただし、ワインをそのような価値観でもって受け止めることができる人は、国産バイアスが強烈にかかる初心者か、あらゆる国々のワインを飲み重ねてきた、歴戦の玄人くらいなものだ。

梁 世柱
10月28日


韓国伝統酒の奥深き世界 Part.2
Part.2では、韓国伝統酒(スル)の中で、マッコリ以外の主要なものを解説していこう。 チョンジュ 漢字(韓国ではすでに漢字の公的使用が実質的に廃止されている)では 「清酒」 と書くチョンジュは、 マッコリを濾した後の上澄みだけを抜き出したスル である。 つまり、マッコリはどぶろくと、チョンジュは日本の清酒とシンクロするような関係性にある。 マッコリに比べると遥かにマイナーな存在ではあるが、古代三国時代(4~7世紀)の文献にはすでに、宮廷で濁酒と清酒を使い分けていたと記述されているため、歴史は非常に古い。 李氏朝鮮王朝時代(14末〜19世紀末)には、ポプジュ(法酒)と呼ばれた宮廷専用のチョンジュが重用され、特にキョンジュ(慶州)で造られたものは、キョンジュポプジュと呼ばれて名を馳せた。

梁 世柱
10月26日


SommeTimes’ Académie <112>(イタリア・ピエモンテ州: Part.5)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・ピエモンテ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つである ピエモンテ州 は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第5回では、 北ピエモンテ地方における、2つのネッビオーロ銘醸地 に関して学んで行きます。

梁 世柱
10月22日


韓国伝統酒の奥深き世界 Part.1
韓国で活躍する同業のプロフェッショナルたちから、何度も何度も聞かされていた。 韓国国内には、驚くべき品質の マッコリ、ソジュ、薬酒 (韓国ではこれらの総称として、 「スル」 という言葉が用いられる)が存在していると。 しかしそれら韓国の歴史深い国酒に対して、日本では韓国料理店や焼肉店における、「安価な選択肢」としてしか、市場が開かれていない。 市場が無いなら、当然輸入も著しく制限される。 つまり、最上のマッコリやソジュを体験するためには、韓国へと行くしか無かった。 なかなか機会を作ることができなかったが、今回12年ぶりに韓国を訪問することができたため、スルの集中テイスティングを行なった。

梁 世柱
10月18日


SommeTimes’ Académie <111>(イタリア・ピエモンテ州: Part.4)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Acad é mie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回はイタリア・ピエモンテ州について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つである ピエモンテ州 は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第4回では、この地を代表するだけでなく、全イタリアの象徴的存在の一つである Barbaresco(バルバレスコ) に関して学んで行きます。

梁 世柱
10月16日


出会い <91> 北海道で華開くドイツ系品種
山田堂, Yoichi Blanc 2024. ¥2,800 寒冷地である 北海道 が、 1970年代 から ドイツ・オーストリア系品種 に目をつけたのは、英断だった。 1976年のパリスの審判 をきっかけに、世界各地で爆発的に フランス系国際品種 が広まることになったのだが、その大波が本格化する前に、 ミュラー=トゥルガウ、ケルナー、バッカス、ツヴァイゲルト(レーベ) などの葡萄が北海道に導入されたのは、運命のいたずら、とすら言えるのかも知れない。 パリスの審判から、ロバート・パーカーJrの台頭という一連の流れの中で、2010年代に入るまでは、パワー型ワインの全盛期となったため、繊細な北海道のドイツ・オーストリア系ワインがセールスに苦しんだことは想像に難くないが、耐え忍んだだけの価値はあったと、私は思う。

梁 世柱
10月14日


杏仁豆腐と色とりどりペアリング
中華スイーツの中で、 杏仁豆腐 ほど日本で広く愛されているものはないだろう。 杏仁豆腐は、元々は 薬膳料理 で、咳の治療薬として漢方で用いられていた 杏の核(杏仁) を粉末状にしたものを、薬として飲みやすくするために甘味を加えたのが発祥とされている。 牛乳、アーモンドエッセンスなどで香味付けをした簡易的造りの杏仁豆腐を、甘いシロップの中に、同じサイズにカットしたフルーツと浮かせた 「フルーツポンチ」風の香港式杏仁豆腐 が、日本ではよりポピュラーと言えるだろう。 さて、そんな杏仁豆腐だが、ペアリングの題材としても実に楽しい。 さらにこのペアリングには反則とも言える 裏技 があるので、先にそちらを紹介しておこう。

梁 世柱
10月5日


進化するAIとワインの学び Part.4
ChatGPTなどの生成AIが世界の在り方を変え始めてから、数年が経った。 初期の頃は、ハルシネーションと呼ばれる、事実に基づいていないが、もっともらしい誤情報を生成してしまう現象があまりにもひどく、本格的なリサーチにはまだ到底使えるような代物ではなかったのだが、進化著しい分野だけに、定点観測は行ってきた。 Part.4では、 品種と価格帯指定をして、より広範囲のおすすめをChatGPT5に訊ねる という検証を行った。 指示 「ワインショップにおける小売価格3000円代で、おすすめのピノ・ノワールと生産地の組み合わせを教えてください。」

梁 世柱
10月3日


SommeTimes’ Académie <110>(イタリア・ピエモンテ州: Part.3)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Acad é mie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回は イタリア・ピエモンテ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるピエモンテ州は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第3回では、この地を代表するだけでなく、全イタリアの象徴的存在の一つである Barolo(バローロ) に関して学んで行きます。 Barolo D.O.C.G.

梁 世柱
10月1日


ロゼワイン世界一周 <1> フランス編:Part.1
長い間ワインプロフェッショナルとして活動してきたが、いまだに日本において叶うことが遠いと感じている夢がある。 ロゼワインの浸透だ。 日本は世界で最も成熟した市場の一つであることは間違いないのだが、ロゼワインという一点においては、明らかに後進国である。 本企画では、その現状を憂い、改めてロゼワインの偉大な魅力を、世界一周という形式で紹介していこう。 全てを網羅するのは難しいが、メジャーなロゼから、ある程度マイナーなロゼまで、幅広いヴァリエーションでお届けしていく。 第1回は、 フランス編Part.1 となる。 フランスは世界でも最大級のロゼ生産大国であり、その総生産量は全世界の30%強にも及ぶとされている。 特に南仏エリアを中心に、世界的に名高いロゼが造られているが、各地方で異なる品種、スタイルから極めて多様性に富んだロゼワインがフランス全土で生産されている。

梁 世柱
9月28日


SommeTimes’ Académie <109>(イタリア・ピエモンテ州: Part.2)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Acad é mie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回はイタリア・ピエモンテ州について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるピエモンテ州は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第2回では、多種多様な地品種が魅力的なピエモンテ州の銘醸ワインの中から、白葡萄主体の産地を整理しておきましょう。 ピエモンテ州は、ネッビオーロを中心とした赤ワインで名高いエリアではありますが、白ワインの中にも、イタリアを代表するクラスの産地があります。 なお、 ピエモンテ州の白ワインに関しては、このまとめ情報でのみ記述いたします 。 Cortese(コルテーゼ) ピエモンテ州の白葡萄の中でも最も知られているのは、 Cortes

梁 世柱
9月27日


出会い <90> ポルトガル=オレンジワインのホットゾーン
Espera, Espera Curtimenta 2022. ¥3,900 オレンジワインとは、つくづく興味の尽きないジャンルだと思う。 その理由は、 「常識の破壊」 にある。 シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング。我々が白ワインとして慣れ親しんだ葡萄が、オレンジワインとなった途端に、 全く未知の姿 を見せる。

梁 世柱
9月25日


進化するAIとワインの学び Part.3
ChatGPTなどの生成AIが世界の在り方を変え始めてから、数年が経った。 初期の頃は、ハルシネーションと呼ばれる、事実に基づいていないが、もっともらしい誤情報を生成してしまう現象があまりにもひどく、本格的なリサーチにはまだ到底使えるような代物ではなかったのだが、進化著しい分野だけに、定点観測は行ってきた。 Part.3では、私の専門分野である ペアリング を題材にするという、禁じ手とも言える検証を行う。 指示1 「辛口のカレーライスに合うワインをおすすめしてください。」

梁 世柱
9月23日


SommeTimes’ Académie <108>(イタリア・ピエモンテ州: Part.1)
一歩進んだ基礎の学び、をテーマとするのが SommeTimes’ Académie シリーズ。 初心者から中級者までを対象 としています。 今回はイ タリア・ピエモンテ州 について学んでいきます。 イタリアを代表する銘醸地の一つであるピエモンテ州は、黒葡萄、白葡萄共に、イタリア国内でも最高レベルと目される地品種が多数揃った、偉大な産地です。 トスカーナ州に比べるとやや小規模なワイナリーが多い点、葡萄畑が分割相続される点などから、フランス・ブルゴーニュ地方との類似点も見受けられます。 ピエモンテ州編第1回では、多種多様な地品種が魅力的なピエモンテ州の銘醸ワインの中から、まずは 黒葡萄主体の産地 を整理しておきましょう。 Nebbiolo(ネッビオーロ) ピエモンテ州だけではなく、全イタリアを代表するといっても過言ではない黒葡萄が ネッビオーロ です。元来は、超長期熟成型のワインで知られていましたが、近年では早飲みタイプとしても、見事なポテンシャルを発揮しています。 代表的な産地は、主に3つのエリアに分布しています。

梁 世柱
9月19日
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